カテゴリ:仕事・日本語教育
パートさんたちの顔と並んで、
もう一つ思い浮かぶ光景がある。 それは、新入社員で入った会社が倒産し、 2つ目に入った小さな会社。 独身の若い事務社員達に混じって一人、 ママさん社員がいた。 普段、物静かな彼女と一緒に仕事で外出した際、 彼女の携帯に、お子さんから電話が入った。 一気に母の顔になる彼女。 電話を切った後、子供の写真を見せられた。 当時まだ20代前半だったつばめは、 はっきりいって他人の子供の写真を見せられたり 声など聞かせられても、 うれしくもなんともなかったのだが、 その時の彼女の本当にうれしそうな様子が 目に焼き付いている。 シングルマザーだった彼女、 小さな子供を抱えて、女手ひとりで 仕事をしながら子供を育てるのは 並大抵でなかっただろうと思う。 仕事中に思いがけず子供の声を聞いてこみ上げる愛しさ、 我が子のかわいさを人に見せたいという気持ちが それから十数年たった今、 ものすごく実感を持って胸に迫ってくるのである。 そういえば、瀋陽で日本語教師をしていた時代、 二人の幼子を抱えるママと友達になったが、 ある日、会って一緒におしゃべりする約束をした後、 子供を連れて行っていいかと言われて それはちょっと・・・、と断った自分の思いやりのなさが、 苦々しく思い出される。 子供を持ってはじめて、 子供を置いて外出するということが どんなに難しいことか分かり、 電話を通して聞こえてきた 当時の彼女のちょっと落胆したような声が 昨日のことのように思い出されるのである。 人間というのは、実際経験してみないと 本当に実感として分からないものなのですね。 色々な経験を積むことで心のひだが増えていき、 感情豊かな人生を彩っていくものなのだなぁ~と しきりに散りしく秋の木の葉を眺めながら思う つばめなのでした。 ↓天安門広場の花飾り。今年は政府の意向で より質素です。 照片 479 posted by (C)つばめ 照片 480 posted by (C)つばめ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/10/16 12:52:53 AM
コメント(0) | コメントを書く
[仕事・日本語教育] カテゴリの最新記事
|
|