ニーハオ中国

ふたり目ちゃんは毎週月曜日に、
近くのダンス教室でダンスを習っています。

先生1人に子供２人という恵まれた環境で、
ふたり目ちゃんは、１つ年下のtiantianちゃんと一緒に
レッスンを受けています。

このtiantianちゃんはいつも、
おばあちゃんに連れられてくるのですが、
このおばあちゃんがすごい。
つばめはガラス張りのレッスン室の横で座って
スマホなどいじっているが、
そのおばあちゃんは立ちっぱなしで、
しかも、ドアのすぐそばに張り付いて、
子供に対してたえず指示を出すのだ。

腹筋や足上げなど基礎トレーニングで
少しでも子供が止まろうものなら、すかさず、

「ほら、止まらない！もっと早く」

などと激を飛ばし、開脚などで子供がちょっとでも動いたら、

「動かない、そのまま頑張って！」

と声をかけ、後半のダンスでは、

「首が曲がってる」、
「手の位置がおかしい」、
「ほら、先生を良く見て、先生のやるとおりにやりなさい」、

だの、うるさいことこの上ない。

たまりかねたつばめが、椅子に座るよう声をかけたが、
断固拒否で、ドアのそばからあれこれと口を挟み続ける。

帰り道、ふたり目ちゃんと歩きながら、

「tiantianちゃんのばあちゃん、ほんとにうるさいよね。
　ダンスのことも分からないのに、
　あんなにあれこれ口を出されたら、
　tiantianちゃんもうっとうしいだろうねぇ」

と言ってみると、ふたり目ちゃん、
急に立ち止まって下を向いた。

まるで涙をこぼさんばかりの様子なので、
どうしたの？と聞いてみると、

「ママもtiantianちゃんのおばあちゃんのように、
　色々言ってほしい」

というのだ。
つばめは、先生がレッスンしている横から
あれこれ言うのはよくないと思って
先生にお任せして何も言わないようにしていたのだが、
どうもふたり目ちゃんは、
それをとても寂しく感じていたらしいのだ。

tiantianちゃんのおばあちゃんに限らず、
中国の親御さんは熱い人が多い。
勉強の間も習い事の間も、たえず子供に指示を出し、
叱咤したり、励ましたり、とにかく忙しいことこの上ない。

そういう環境の中でよその親御さんの様子を
見て育ったふたり目ちゃんは、
よその熱心な親御さんと比べて淡白なわが親に、

「ママは私のことなんてどうでもいいのかな？」

と物足りなさを感じていたのだということを初めて知りました。

そんな意外なところで
中国チックな価値観を持っているようにみえる
ふたり目ちゃんですが、また違った面もあるようです。

つづく。


ダンス1 posted by (C)つばめ


ダンス2 posted by (C)つばめ


ダンス3 posted by (C)つばめ


ダンス4 posted by (C)つばめ