カテゴリ:読書(時代物)
彼女が直木賞を受賞したのがこの作品です。 最近文庫化されたので、やっと読めました。 お話の方は 廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、 本気にさせた若き花魁葛城。 十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったその時、 葛城の姿が忽然と消えた。 一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、 吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの 傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。 姿が消えたっていうのも、帯などに書いてあるから そうなんだって思っただけで、お話の中ではなにが 起こったの明らかにしないまま書き進めています。 アガサ・クリスティーの作風を髣髴とさせるような、 過去に起こった事件を登場人物が想像や、推理を 交えながら語る内に、全貌が明らかになってくる っていう手法で描かれています。 茶屋の主人や、廓の番頭、遣り手婆ぁ、廓の主人、 お馴染みのお客などなど、ものすごい数の登場人物 なのですが、書き分けが見事なので混乱しないのは 作者の手腕ですね。 読んでいる内に吉原の作法や、そこで暮らす人々の 生活が色鮮やかに目の前に広がってくる。 今で言う吉原マニュアル本っていう感じに、プラス 謎解きの要素を加えたのが面白いなと。 展開に意外性はなかったのですが、緻密な文章力に 圧倒されました。 これからもずっと愛読していきたい作家さんです 吉原手引草 630円 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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