Dr.亀山の小児科日誌☆生牡蠣を間違って食べてしまいました!☆幸母乳育児相談室より
☆生牡蠣を間違って食べてしまいました!☆「赤ん坊が生食用でない牡蠣を生で食べてしまいました」「様子を見てください」「食中毒が心配です!」「なんとも言えません」 食品衛生法の改正により2002年から生食用牡蠣は殺菌された海水での消毒が義務付けられております。たいていは、紫外線殺菌水(ときに塩素消毒)で24時間以上洗浄しますので、残留菌数はほぼゼロですが、1~2日絶食状態におかれますので、グリコーゲンが減少してややうまみが減少する欠点があります。 生食ではない(加熱調理用の)牡蠣は鮮度が悪いわけではありません。殺菌されてない塩水で洗ってすぐに袋詰めにされますので、鮮度は良くうまみ成分もより豊富です。ただし、ウィルス感染の危険があります。おもなものは小球形ウィルス(SRSV)です。SRSVはもともとはカリシウィルスと呼ばれておりましたが、最近ではノーウォークウイルス(NLV)やノロウイルスとも呼ばれております。97年から食中毒原因物質として指定され、第4類感染症に分類されております。 牡蠣は、えら呼吸のときに、プランクトンと一緒にSRSVを吸い込み、中腸腺(内臓の黒いところ)に蓄積します。家庭で殺菌するには過熱しかありません。芯まで85℃以上で1分以上過熱する必要があります。 しかし、加熱調理用でも、牡蠣の生食が必ずしも危険とは言えません。牡蠣の養殖は大腸菌群70/100ml以下のきれいな海で養殖されておりますので、当たる確率はかなり低いと思われます