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テーマ:詞を書こう!!(363)
カテゴリ:作詞スクール
それでは、実戦です。 元の詞(添削前)と添削後の詞の完成度の違いを参考にして下さい。 これは、セミプロのミュージシャンの詞を添削したものです。 添削1 (元詞)『Blue city』 詞 Aya 1. 街のざわめきが 心をかき乱す 怖いから 目をそらしてた Blue city 誰にも見えない 素顔の私が 目をさます瞬間 見上げる Blue sky 柔らかい日差しに包まれてきたけれど 眩しい光に誘われ… wow wow ※ どんな言葉で feeling 届けられるの my heart あなたなしでは生きてゆけなくてね… せめて愛しい人だけ守る力を ただ一つの勇気を下さい 2. 朝の潤いも 夜の静けさも 自分次第 目をそらさずに Blue city 押し寄せる波に 負けないようにと 逆らった瞬間 見上げる Blue sky ビル風にさされ進めないもどかしさ 明日があるから笑って… wow wow ※※どんな言葉も feeling いらない瞳で my heart あなたなしでは生きてゆけなくてね… せめて短いメロディ届けられたら ただ一人の私でいられる 3. どんな小さな出来事にも 足を止め微笑む人でいられるように あなたに守られていたい ※ ※※ (繰り返し) 添削結果 1. 『Blue city』 全体的に各フレーズを最終的につなぐ筋といったものが見当たらないので、頭とサビとバラバラに感じる。 たとえば1番と2番を入れ替えても支障がないし、ある部分を全く別のフレーズに替えても差し支えがないといった感じ。 「街のざわめきが 心をかき乱す 怖いから 目をそらしてた Blue city」 なかなか良い唄い出しだと思う。 が、「ざわめきから目をそらす」は、おかしい。 「誰にも見えない 素顔の私が 目をさます瞬間 見上げる Blue sky」 『見えない』『見上げる』同じ言葉が不用意に続くと稚拙になります。 意識的に繰り返されている言葉でなければ、気がついていないと思われてしまいます。 この歌詞全体の中で、稚拙な箇所を指摘しておきます。 『目をそらし』『目をさます』、『届けられる』『届けられたら』。 『Blue sky』はピンと来ない。 雰囲気からして、『Gray sky』の方が良い。 「柔らかい日差しに包まれてきたけれど 眩しい光に誘われ…」 言いたい事は解るが、あまりに初心者が書くような表現でいただけない。 『日差し』と『光』は、似たような語でダメ。 『けれど』という接続詞の前後は、対照的な語を使うべき。 「どんな言葉で feeling 届けられるの my heart」 サビの詞は一見、意味不明。 何とか作者の意を汲み取ると、『どんな言葉を使えば、私の心を届ける事ができるの?』そして『feeling 』=『my heart』という所か。 もっと伝わり易く、正確、慎重に書くべき。 「あなたなしでは生きてゆけなくてね…」 タイトル以上に、この唄の決めのフレーズ。 『~てね』というのが、妙に可愛くて、とても気に入りました。 「せめて愛しい人だけ守る力を ただ一つの勇気を下さい」 『力と勇気』なのか、『力=勇気』なのか、わからん。 勇気は1つ2つと数えられない名詞。 『ただ1つ勇気を下さい』が正しい。 「朝の潤いも 夜の静けさも 自分次第 目をそらさずに Blue city」 いまいち意味不明。 『自分次第』の後で区切ると、何とか読めるが…。 1番と2番でここは対句になっているが、ボツ。 『潤い』に対して『静けさ』がいまいち気に入らない。 もっと相応しい別の言葉を。 「押し寄せる波に 負けないようにと 逆らった瞬間 見上げる Blue sky」 ここは良いよ。 「ビル風にさされ進めないもどかしさ 明日があるから笑って…」 『さされ(刺され)』→『さらされ(曝され)』が正しい。 前のフレーズと同じような内容の繰り返しになるので、変えたい所だが、まあいいか…。 『笑って』は厭だな。 「どんな言葉も feeling いらない瞳で my heart」 瞳で my heart をどうするのか? 伝えるんだろうな…。 「せめて短いメロディ届けられたら ただ一人の私でいられる」 『短い…』がどうも…。 短い事に意味があるだろうか…。 この曲は長いが…。 きっと『素朴な(シンプルな)』ぐらいのつもりで、使っているのだろうけど…。 1番の『ただ1つの勇気』に対して『ただ1人の私』なのだろうが、インパクトが弱い。 まあ、詞にはプライベートな意味が隠されてる場合もあるので、あくまで客観論だが。 『一人』にAyaさんの私的な想いが込められているとしたら、グッと来るけどね。 「どんな小さな出来事にも 足を止め微笑む人でいられるように あなたに守られていたい」 この挿入句は良いと思います。 ただ『人』とは『私』の事なので、既に『私』という1人称が登場している以上批判を受けやすい。 でも挿入句の中で使う分には、大丈夫だと思います。 挿入句は大抵独立させたい所なので、ガラッと雰囲気を変えるためなどに、こういう用法はアリと思う。 『守られていたい』がチョッと曲にも乗ってないし、僕なら『見守られたい』とします。 あと、最後のサビの繰り返しの所で、歌詞カードは変わってないけどテープでは『あなたがいれば生きてゆけるからね』と唄ってる所、妙に好きです。 こういう変化は良いね。 アドリブかねェ? それでは、添削した歌詞です。 もとの詞と比べて参考にしてください。 『Blue city』 1. 街のざわめきが 心をかき乱す 怖くて 耳を閉ざした Blue city 誰も知らない 素顔の私が 目をさます瞬間 見上げる Gray sky やさしさと期待に 包まれてきたけれど 激しい鼓動にさらわれ wow wow ※ どんな言葉で feeling 飾ればいいの my heart あなたなしでは生きてゆけなくてね… せめて大事なものだけ守る力と あと少しの勇気を下さい 2. 朝の潤いも 夜の安らぎも 気分次第 与えて奪う Blue city 押し寄せる波に 負けないようにと 逆らった瞬間 広がる Gray sky ビル風に曝され進めないもどかしさ それでも手を伸すよ明日へ wow wow ※※どんな言葉も feeling いらない瞳で my heart あなたなしでは生きてゆけなくてね… せめて震えるメロディ聴こえたなら もっとpureな私でいられる 3. ほんの小さな出来事にも 足を止め微笑む 人でいられるように あなたに見守ってほしい ※ ※※ (繰り返し) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年03月08日 00時09分19秒
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