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カテゴリ:作曲スクール
作 曲 ス ク ー ル テ キ ス ト
1 単 音 ~メロディ 2 和 音 ~コード 3 展 開 4 リズムと編曲 は じ め に みなさん、こんにちは。 作曲スクールを始めるにあたって、みなさんにしっかり覚えておいてほしいことがあります。 それは、『絶対に名前負けしない』ということです。 どうか、このことを毎回忘れないでください。 えてして学問には、何でも用語というのがあって、素人を寄せ付けまいとする傾向がありますが、しょせんは名前です。 中身は簡単であることが多いのです。 とくに音楽の場合はそうです。 音楽は簡単です。 中学生レベルの頭脳があれば、全部理解できる程度です。 小学校、中学校と9年間も音楽を勉強して、なぜみんな作曲ができるようにならないのか? 音楽をむずかしいと思っているのか? 私には不思議です。 1 単 音 ~メロディ 音楽において、みなさんを惑わすのは、1つのものに2つ以上の名前がついていることです。 (1つにすればいいのに!) そしてその反対に、2つのものを1つの名前で呼ぶことがあります。 どうか惑わされないでください。 『単音』とは、1個の音という意味です。 まず、1個の音しか出てない場合のしくみを、お教えします。 単音 = 旋律 = メロディ = 主旋律 (みな同じ意味です。) ・ 音 は 7 個 し か な い ! 音を決めるものは『高さ』ですが、じつは、音は7個しかありません。 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 (1番に戻ります) ( 高くなります→ ) メロディとは、この7個の音の組合せでしかありません。 あなたが7個の音を自由に組み合せれば、もうそれで作曲ができます。 さて、この7個の音には、あなたを惑わすためにたくさんの名前がついています。 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 階名 ド レ ミ ファ ソ ラ シ 英語 C D E F G A B 和名 ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ 1度 2度 3度 4度 5度 6度 7度 主音 3音 5音 トニック あなたが今まで聴いてきた曲も、すべてこの7個の音の組合せでできています。 ・ 音 は 全 部 で 12個 し か な い ! 音は7個といいましたが、じつはほかに5個あって、全部で12個あります。 ただ、この5個の音はめったに使うことはありません。 ですから、音は7個と思ってもさしつかえないわけです。 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 10番 11番 12番 ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ# ラ ラ# シ レ♭ ミ♭ ソ♭ ラ♭ シ♭ C C# D D# E F F# G G# A A# B D♭ E♭ G♭ A♭ B♭ ハ 嬰ハ ニ 嬰ニ ホ ヘ 嬰ヘ ト 嬰ト イ 嬰イ ロ 変ニ 変ホ 変ト 変イ 変ロ 『#(シャープ)』と『嬰(えい)』は半音上げる、 『♭(フラット)』と『変(へん)』は半音下げる、という意味です。 『半音』とは、『1音』の半分という意味です。 0.5 ということです。 『1音』が、1.0 ということです。 (『全音』ともいいます。) 1.0 とか0.5 は、音と音の高さの間隔です。 この12個の音は『半音』の間隔で並んでいます。 つまり12個の音の間隔は、すべて等しいのです。 『シ』と『ド』の間は半音です。 (音の高さを決めるものは周波数です。 周波数や音律の話は、別の講義でします。) さて、今まで述べたメロディを作る7個の音は、じつは、みなさんの頭の中で鳴っている音です。 現実に鳴っている音とは関係ありません。 頭の中の音は、その音と音との間隔によってのみ特定されているのです。 音の間隔によって鳴っているのです。 頭の中の音を、現実の音として楽器で鳴らしてみると、頭の中のドは現実のどの音になるかわかりません。 頭のドは、現実のファかも知れません。 どの音になってもかまわないのです。 頭のドが、現実のどの音になるか決まった時、その他の音も現実のどの位置かが決まるのです。 7個の音のセットを『音階』『スケール』といいます。 『音階』とは、音の階段ということです。 頭の中の7個(12個)の音(音階)を『相対音階』といいます。 現実の音を『絶対音階』といいます。 現実の音は、低い方から高い方までたくさんあります。 人間の耳で聴くことのできる範囲内に、半音の間隔で音があります。 [絶対音階] ドド#レレ#ミファソ♭ソソ#ララ#シドド#レレ#ミファソ♭ソソ#ララ#シドド#レレ#ミファソ♭ ドド#レレ#ミファソ♭ソソ#ララ#シ ドド#レレ#ミファソ♭ソソ#ララ#シ [相対音階] ドド#レレ#ミファソ♭ソソ#ララ#シ もう一度、メロディに使う7個の音を並べてみます。 ミとファ、シとドの間が半音で(2ヵ所)、あとは全音の間隔(5ヵ所)であることがわかります。 つまり、全・全・半・全・全・全・半 というふうに並んでいます。 さて、ドから始まるこのスケールは、じつは明るい感じのメロディの時に使用します。 暗い感じのメロディの時は、ラから始まるスケールで考えます。 暗いメロディの時は、ラから始めて、全・半・全・全・半・全・全 というふうに並べます。 ドを先頭にしたスケールを『メジャー・スケール』『長音階』といいます。 明るいメロディで使います。 ラを先頭にしたスケールを『マイナー・スケール(ハーモニック・マイナー・スケール)』『短音階』といいます。 暗いメロディで使います。 先頭を変える理由は、ただ、そのほうが考えやすいからです。 常にドを先頭で考えても、別にかまいません。 つまり、1つのスケール(=key)に「メジャー(長調)」と「マイナー(短調)」の2種類があるということです。 逆に言えば、全く同じ音で構成されたスケールが、長調と短調に1対ずつある、ということです。 (「ハ長調」と「イ短調」は同じ) [メジャー・スケール] ド → → レ → → ミ → ファ → → ソ → → ラ → → シ → ド 全 全 半 全 全 全 半 [マイナー・スケール]※主音はラ ラ → → シ → ド → → レ → → ミ → ファ → → ソ → → ラ 全 半 全 全 半 全 全 『メジャー』=『長調』=『M』 『マイナー』=『短調』=『m』 明るくまたは暗く聴こえる秘密は、3度の音までの距離にあります。 1度・2度・3度と音を出していって、3度までの間隔が 2.0(長い)の時は明るく聴こえ、3度までの間隔が 1.5(短い)時は暗く聴こえます。 スケール上の先頭の音(主音)が、現実のどの音に相当するかが決まった時(キーが決まるといいます)、メロディは現実の音でたやすく演奏することができます。 キー(key )は先頭の音(主音)の名前で表します。 明るい曲で先頭が現実のドの時、『key C』『ハ長調』といいます。 現実のソの時は、『key G』『ト長調』です。 暗い曲で先頭が現実のラの時、『key Am』『イ短調』といいます。 現実のミの時は、『key Em』『ホ短調』です。 逆に、現実に流れているいろいろなメロディも、すべて一番簡単なハ長調(暗い時はイ短調)に置き換えて考えればよいのです。 (※譜面上の表記については別講でやります。) (変ロ長調) ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド [絶対音階] ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ド ド# レ レ# ミ ファ ソ♭ ソ ソ# ラ ラ# シ ド ド# レ レ# ミ ファ ソ♭ ソ ソ# ラ ラ# シ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド (ト長調) さあ、それでは、実際にメロディを調べてみましょう。 みなさんが知っているどの曲でもかまいません。 自分のとても好きな曲がいいでしょう。 好きだったあの曲が1~7のどの音を使っているのか、書き出してみましょう。 きっと案外単純なことに驚くと思います。 明るい曲は、ハ長調(key C)に直して調べます。 暗い曲は、イ短調(key Am)に直して調べます。 直し方のコツは、主音(キー音)がメロディのどの音かを見つけることです。 その方法を紹介しましょう。 ・楽器でCのコード(和音)を弾いて、それに合わせて唄ってみる。 暗い曲の時は、Amのコードを出します。 ・その曲を終わらせる感じで唄ってみる。 終了の音が、相対音階のド(主音)です。 短調の時はラです。 調べてみると、1~7の音しか使っていないことが、よくわかります。 鍵盤楽器の場合でしたら、白鍵しか使いません。 もし、それ以外の音が使われていたら(黒鍵)、それは特殊な音なのです。 特殊なメロディ(フレーズ)なのです。 1~7以外の音が使われている部分は、変わった感じに聴こえます。 特殊な音は5個あります(黒鍵)。 意外にも、めったに使わないこの特殊な音(5個)が、メロディに感情をあたえる役目をします。 聴き手の心を揺さぶります。 (さあ、この続きは、『3 展開』で詳しく述べます。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年10月31日 10時15分45秒
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