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カテゴリ:作曲スクール
「なんか、譜割りがおかしくない?」ということが、 ごく稀にあります。 歌謡曲に多いです。 そんな例を紹介しましょう。
♪ 夢の ようね今の私 しあわせ ♪ あの日 めぐり逢えたあなた 恋のめばえ
問題の箇所は、この次
♪ とーきめく胸を あなたにー伝えたいのー ♩ ♩ ♪♪♪♪ | ♩ ♪♪♩ ♪♪
♪♪♩ ♪♪♪♪ | ♩ ♪♪♩ ♪♪ なたに ―つたえ | た いのー すき
となってますが、正しくは(ふつうは)、
♩ ♩ ♪♪♪♪ | ♩ ♪♪♪♪♪♪ と ― ―きめく | む ねをーあなた
♩ ♩ ♪♪♪♪ | ♩ ♪♪♩ ♪♪ に ― ―つたえ | た いのー すき
となります。
比べて見ていただければ解ると思いますが、 「あなたに」の出だしが1拍遅いのです。
「とーーきめく」と「にーーつたえ」は、対になるべきフレーズです。
なぜ、おかしいのか、の説明(証明)をします。 カラオケで歌ってみれば解りますが、歌いにくいです。 素人は、初見では、おそらく歌えません。
「歌いにくい」といことは、「譜割りがおかしい」ということなのです。
人間は、4拍、8拍、4小節といった、本能というか体内リズムを持っています。 (3拍子もありますが。) その規則に入っていると、落ち着くのです。
音楽や作曲に慣れてくると、自然にフレーズの先を予測するようになります。 ですから、音楽に親しんでる人ほど、譜割りが異常だと「あれ?」となって、 譜面をのぞき込む事態となります。
音楽の苦手な人は、気づきにくいかも知れません。 (そもそも全部が歌いにくい。) 一般に、「譜割りがおかしい」と指摘すると、このようなプロの作品だと、 「間違い」でなく「変化」だと言って、「わざとそうした」のだとして、 「そこが良い。 味わい、特徴なのだ。」という反論が返ってきます。
が、私が納得できたことは、ほとんどありません。 もう直せないので、言い訳を作ってるとしか思えないことが多いです。 もし、納得できるものがあるとすれば、規則的に異常な譜割りを使ってるとか、 「意表をつきたい」「不自然さを出したい」「強調したい、盛り上げたい」などの「必然性」が感じられるものです。 まあ、ふつうは、「挿入節」や「コーダ」が使われます。
さて、しかし、「筒美京平」先生が、譜割りを間違えたり、おかしいのに気づかないなんてことがあるでしょうか。
ここからは、私の推測ですが、 1つは、歌い手のブレス(息継ぎ)を気遣って音を長くした。
もう1つは、譜面作成過程のどこかでミスプリントがあった、あるいは先生の手書きの譜面が汚かった。
バスドラの位置とか伴奏を細かく聴いてみれば、手掛かりがつかめるかも知れません。 真相は、どうなんでしょうかね。
歌詞が「あなた(に)」と3語じゃなくて、「君(に)」とかの2語だったら、 ふつうの譜割りになってたかも知れませんね。
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Last updated
2022年11月02日 22時17分35秒
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