秋分・寒露の連続講座 サービスの差別化(3)~新人トレーニング ~『商売繁盛の達人』2012年3月号より
秋分・寒露の連続講座 サービスの差別化(3)~新人トレーニング~『商売繁盛の達人』2012年3月号よりサービスの差別化(3)~新人トレーニング サービスのレベルアップは環境づくりにあります。サービスが悪いと言われる店では、悪しき習慣が根付いた既存勢力を小数派に追い込み、やる気のあるスタッフが溢れる状況を作りだす必要があります。そのためには、まず、新人スタッフのトレーニングが重要です。今回はその点をみましょう。はじめに~私の過去の経験から 私が転職して、「新宿さぼてん」の荻窪店の店長になったのはもう20年くらい前(9年前のコラム執筆段階で)の話になります。店長を任ぜられた店ははっきり言えば、腐りかけていました。バイトの無断欠勤や遅刻、バブル崩壊直後でかつ杉並区という土地柄の問題などあり慢性的な人手不足、無秩序な状態。私は、この最悪の状況をどう乗り切るかをまず考えました。 着任した私に同じフロアにあった「庄屋」のベテラン店長は「大久保さんやりたいことはいろいろあるけど、しばらくはじっくり様子見て、少しずつ変えることだよ」と助言していただきました。その言葉もあってか、私は半年くらい、問題を客観的に分析し、オペレーションの問題の部分からまず手をつけて、人の問題は時間をかけてゆっくり進めることにしました。 私の着任前の店長たちは改装後のリニュアル効果による好業績下、人手不足の状況と“総あがり”を危惧してか、どちらかと言えば店を回すことを主に考えて経営してきたようです。人間的にはいい子たちばかりなのですが、ある意味、自由奔放、やりたい放題の使いにくいフリーターがシフトの重要な部分をしめていたました。 私は最初の半年間で、固定メンバーとしてだれがよいかを考えました。そして、パート・アルバイトに改善を促し、それでも解決できない場合は辞めていただくかを考えました。 次に、固定メンバーとして選んだフリーターの子には私の荻窪店の店づくりのビジョンを伝え、信頼の証に標準在庫量やモデル・ワークスケジュールなどの仕組みを作ったうえで、発注やシフト編成を任せました。そして、彼らにはどういう店を作りたいかを伝え、私は、新人のトレーニングによる環境づくりと顧客満足度のアップ、特に新規客を高確率で再来店させ業績アップの二面を主に担って運営をしました。私が着任してから1年くらいして功を奏し始め、前年比120%以上の勢いで数年伸び続ける土台ができたのです。私の後任の店長は三代続けて最優秀店長や優秀店長で海外視察に行ったことを記憶しています。 私が、新人に力を入れたのは、下記の理由です。・前の店長のイメージなどがないので、信頼関係を気づきやすい・意識に重きをおける(既存のスタッフだとどうしても仕事=作業ができる・できないに重きをおくことになる)・既存勢力の気づき(ちゃんとやることは気持ちよい、お客様に喜ばれればうれしい) さあ、それでは、2004年12月リリースのベストセラー書「ダントツ飲食店繁盛ノート」(日本実業出版社)をブラッシュアップして運営水準の構築を狙った新人スタッフの教育や新人スタッフが辞めない環境づくりをお届けしましょう。本日のおすすめ【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 /大久保一彦(著者),加藤雅彦(著者) 【中古】afb