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小暑の連続講座 その24 戦略的なメニューブックの作り方
~会報バックナンバー2013年5月号より 1 メニューブックの原則 1-3 原則3 メニューブックには直観型と想像させ読み込む型がある メニューブックの作り方には直観的なメニューブックと想像させ読み込むメニューブックがあります。どちらがいいとは言えませんが、店の利用シーンにあっていればいいメニューブックであります。 直観型は写真やキャッチコピー、商品名など中心に表現して、「これ!」という感じで決めるメニューです。 メニューブックは一枚もののほうが品数(選択肢)の多さを感じないのでいいです。 カウンターサービスやランチなど店のビジネスモデル上、セット(定食)主体の一品完結型でメニュー選びに時間を要しないほうがいい状況下に有効です。 利用シーン的に衝動的にメニューを決めるために、セットに自然に誘導されます。 また、売りたい高い単価の商品の写真を大きなものにすれば、こちらに誘導するもできます。 想像させ読み込む型は、行間を大切にして余計な説明を加えないメニューです。メニューの行間を読むには食に対する経験や知識から派生する想像力が必要であり、外食経験豊富なアッパーな客層を狙うときに有効です。 もし、説明を加えるのであれば、客層の既知の範囲内に収めるのがいいです。 そして、未知なる知識は顧客の求めや興味(必ず聞いてきます)に応じて、スタッフの接触を通じて講義(教育)するのがいいです。 この想像させ読み込むタイプのメニューブックは、商品力が極めてあり、事後評価が高く誘導できる店の場合に極めて有効です。 逆に、商品力がない店の場合はお客様の事後評価が極めて辛辣なものになることが多いためおすすめできません。 悪いメニューブック ちなみに、悪いメニューブックは“わかってもらいたい”気持ちで説明しているメニューブックです。まず、“わかってくれ光線”を出すメニューブックは悪いメニューブックです。盛況感を消し、悲壮感を伝えるからです。 そして、説明しすぎるという行為は事前情報を与えて“未知の商品の見える化”をするわけですから、事後評価は低くなります。一等地で不特定多数のお客様が次々といらっしゃるならいいのですが、そうでない場合は、メニューブックに売れているオーラを出したほうがいいです。 ちなみに、売れていない店は売りたい商品が売れていないことに理由を求める傾向にあります。しかし、実際は、商品力がないごくごく普通の店であり、独自性を打ち出せる店舗トータルのディレクションが悪い場合のほうが多いのです。メニューでの説明は自己満足に過ぎない場合が多いのです。 ※ 直観的なメニュー 直観的とは見た目で判断でき「これ」と指差せるもの、あるいは一読性が高いものと言えます。 直観的な表現方法には、一枚ものにする、あえて差し込みメニューを入れる、写真に強弱をつける、キャッチコピーを使うなどの方法があります。 外食ビギーナーにはキャッチコピー程度のものがよく7文字以内でぴんとくるものでなければなりません。 商品開発をするときにわかりやすい項目(ベースを日常的な餌に加えた見た目のインパクト、グルメ食材、マスコミでとりあげられるもの)を活用して開発すれば直観的なメニューとなります。 なお、上級になればなるほど、見込み客に勉強していただく要素が増え、その場合は、食後の間の良い説明が必要になります。 最近では、商品提供時にストーリー建てして説明をする店も多いと思います。その場合、セリフ(台本)を用意して練習しますが、最終的にはセリフに聞こえないようにならねばなりません。余談ですが、最近のAPカンパニーは説明に聞こえますね。 大久保一彦の本 【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.09.08 23:26:07
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