わからない本
昨日仕入れた本に5冊一括の口があった。中の一冊の著者、加藤武雄は知ってたというだけ。あとの4冊に関しては、まったくなにもわからない本。わからないから欲しくなった。そんな本たち。加藤武雄の本を含め、3冊には、「少女小説」「少年少女小説」という角書きがついている。造本からして、戦後の本だとすぐわかる。「少女小説」系というのは、割と人気があって値がついたりするものだけど、戦後ものだとどうなんだろう。よくわからない。残りの1冊は、裸本で少し背が傷んでいる。奥付をみると大正13年とあった。化けるなら化けそうな本。けど、よくわからない。あとの1冊は、もちろんわからない。と、前振ったところで、その5冊、リストアップしてみましょう。●『少女小説・悲しい別れ』加藤武雄/偕成社/S22再●『少女小説・嵐に咲く花』天津春彦/川津書店/S24●『少年少女小説・長編母恋笛』大木六郎/文江堂/S23●『歌物語』西村酔香/交蘭社/T13●『花嫁いろは帖』小此木礼助/アトリエ社/S14加藤武雄は、元新潮社の編集者で、一時はベストセラー作家だった。以前も紹介したし、何冊か扱った。けど、少女小説などに手を染めていたとはしらなかった。恋愛ものが得意の通俗小説家、というイメージが強いから、ね。天津春彦とは何者?山中峯太郎にも『嵐に咲く花』という同じタイトルの小説があるようだけど、当然それは別物だろう。表紙や口絵に中原淳一調の絵が描かれているけど、たぶんこれも別物だろう。挿絵表記がないので確認できないけど、中原淳一なら絶対それを売り物にするハズだし、ね。ただ、口絵から目次ページにひょっとしたら落丁があるかもしれず、そこに表記されていた、という可能性もないではなてようだが…。天津春彦名義の著作には、他に『泣くな乙女よ』という本もあるらしい。が、現時点、それ以上は正体不明。大木六郎の『母恋笛』という本、「日本の古本屋」に2冊出品されてた。中野書店では1,575円の値づけ。おっと、そんな値段つけられてら、ウチでは利益がでないぞ。「日本の古本屋」には、他に『親子鳥』という本もあった。いずれにしても、現時点、それ以上は正体不明。『歌物語』の西村酔香というのは、本来歌人のようだ。歌集も出ている。その世界では著名なのだろうか。この本は、どうやら小説だけど。この本、「日本の古本屋」で4冊みつかる。一番安い店で、2,000円。もともと函がついて完本だったみたい。ウチのは函がないうえに、少し傷んでる。んー、半額くらいの評価か。だとしたら、まったく利益でないぞ。『花嫁いろは帖』の著者、小此木礼助をグーグルで検索したら、3件ヒット。そのひとつは、岡崎武志さんのブログだった。2004年の記事のキャッシュ。岡崎さんが西部の即売会で買ったということが書かれている。その値段は500円。いかにも即売展価格だ。けど、それじゃウチは真っ赤っかだぜ。この本、奥付に「新版ユーモア全集 第17巻」とある。他にどんな作家、どんな本が揃えられてたのか、とても気になるのだが、今のところ、すぐに調べる手だてがない。全巻揃えようなんて思うと気の遠くなるような作業になりそう。けど、揃えてみたくなるね。相当レアそうだから。と、みてきて、はっきりいって、レアはレアであるけど、とてもお宝本とはいえないような代物たちみたい。ま、それはある程度予測できたけど、とにかく一旦は手にしてみなければ、なにがなんだかわからないままに終わってしまう。こうして手元にくれば、いろいろ調べて、新しい知識の蓄えにつながる。けっこう高い買物についたようだけど、そういう勉強代だと思うことにしておこう。とはいえ、現実は、どれもまだほとんど正体不明の段階のまま。継続的調査が必要だけど、調べたところで、なにかわかるような手がかりは残れているのだろうか。???。わからないね。