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2016.04.18
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17-1.jpg 
 
石舞台古墳の後は、一日目の最後の訪問地、石上神宮です。
 
ここは、非常に歴史が古く、『古事記』や『日本書紀』にも
その名が出てきます。
 
古事記では、「神武東征」のところに、熊野で 難に遭った天皇を救うため、
建御雷神が剣を降された・・というお話の中で、
「この刀は石上神宮に座す」と、書かれているそうですよ。
 
わかりやすく書くと、
神武天皇が、熊野に上陸した後で、土地の女賊を殺したところ、
熊野の神様の毒気に当たって、 動けなくなってしまった。
その時、熊野の高倉下という男の人の夢枕に建御雷神が現れ、
「ひと振りの神剣をお前の倉に降ろすから、
それを、天孫に献上するように。」
と、命じられたそうな。
 
翌朝、目が覚めた高倉下さんが倉を開くと、本当に剣が落ちていたので、
すぐにお届けして、その神剣により、一行は蘇ることができたとか。
 
その剣が、この神剣布都御魂剣」
 
 
 この神宮には、奥の禁足地から発掘された布都御魂剣が、
祀られています。 
 
この石上神宮は、神剣を祭祀する神社であっただけでなく、
大和朝廷が、全国支配をすすめていく中で、
各地の豪族から取り上げた膨大な量の武器を
保管し、管理する武器庫の役割も果たしていたらしいですよ。
 
 
管理していたのは、物部氏。
 
 
ただし、「日本後紀」という書物によると、
平安時代初期に、 のべ15万7000人を使役して、
 ここに保管されていた武器を「山城国葛野郡の兵庫」へ移したとか。
 これは、今の京都市内です。
 
兵庫県 の方は、大化改新の後に、須磨関を守るため、
関門に、朝廷の武器庫「兵庫(つわものぐら)」が設置されていたから。
 
 
兵庫県って、「武器庫県」という意味だったんですねー。
 
 なーるほど、と思いました。
 
 
では、いよいよ中に入っていきましょう。
 
17-2.jpg 
 
 まっすぐ行くと神宮の拝殿の方に行けるのですが、
今回は、「山の辺の道」の散策がメイン。
まずは、右手に行きました。
 
 
17-3.jpg 
 
すると、あらまあ、牛さんの向こうには、
放し飼いの鶏さんがいっぱい。
 (鶏口牛後という四字熟語を連想してしまいますね。)
今は、30羽ほどいるのだそうです。
 
 
17-4.jpg 
 
17-5.jpg 
 
足首のあたりまで、羽毛に覆われた、もこもこの鶏さんに、
しばらく見とれていました。
 
後で、なぜ鶏がいるのかわかりましたよ。 
 
 17-11.jpg
 
はい、これ。
 
天の岩戸に籠っていらした天照大神を、岩戸から出てくるようにするため
いろいろとやってみた中の一つですね。
常世の長鳴き鳥というのはニワトリのことなのだそう。
 
 鶏を鳴かせ、朝が来たとだましたお話は、他にもあったような・・・
 
 あ、そうだった!!
 
中国の函谷関で、鶏の声にだまされた関守が、朝と思って門を開け、
おかげで、斉の孟嘗君が討手から無事逃れることができた」
というお話でしたね。
 
 
 この故事をふまえて、清少納言が
夜をこめて 鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ
と、詠んでいたのでした。
 
 この歌は、百人一首にも入っているので、聞き覚えがありますね。
 
 実は、これは清少納言のところへ来ていた大納言藤原行成さんが、
「宮中に物忌みがあるから」と言い訳して早々に帰ってしまい、
よく朝、「鶏の鳴き声にせかされてしまって・・・」
と、言い訳の文をよこしたのに対して、詠んだ歌なんですよ。
 
「もう、絶対に会ってあげませんからね。」
と、言っているのです。 
 
そして、さらにまた返歌があって、
 逢坂は 人越えやすき関なれば 鳥鳴かぬにもあけて待つとか
だそうです。
 
意味は、「あなたはいつでも容易に人に逢うとの噂ですよ」
 
清少納言も、藤原行成卿も、二人とも機知があって、すごいですね。
 
ちなみに、このお話は、 枕草子第129段に書かれています。
 
 
 
 あ、またしても脱線してしまいましたね。
では、山の辺の道へ進んでいきましょう。
 
 
17-6.jpg 
 
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17-9.jpg 
 
17-10.jpg
 
つい、笑ってしまった看板。
手作り感があふれていました。
 
 
 
そうそう、途中にいくつかあった歌碑の一つを。
 
17-8.jpg 
 
 これは、僧正遍昭が詠んだ歌
「里は荒れて 人は古りにし宿なれや 庭もまがきも秋の野良なる」
 
 光孝天皇がまだ親王であった頃に、布留の滝を見に行く途中、
遍昭の母親の家に泊まり、秋の野に見立てて作った庭を見ながら
詠んだ歌なのだそうですよ。
 
 
僧正遍昭は、実は平安京に遷都した桓武天皇のお孫さん。
遍昭のお父さんは、 良岑安世と言って、皇子だったのだけど、
お母さんがとても低い身分の女官(そうじなどの雑事)だったので、
 親王にもなれず、臣下になり、良岑という姓になりました。
 
 だけど、歌舞・音曲、騎射なども得意だったので、認められ、
大納言にまでなった方だそうです。
 
 その息子僧正遍昭は、俗名「良岑宗貞」
 
これがまあ、びっくり。
 
なんと、小野小町のお話で有名な、あの深草少将のモデルなんですって。
 
 小町に言い寄るけれど、受け入れられず、
百日間通い続けたら結婚しようと言って、
九十九夜通ったけど、 そのまま亡くなってしまった・・・
というお話ですね。
 
モデルになった良岑宗貞さんは、有名なプレイボーイだったようで、
いろんな女性と浮名を流したとか。
 
百人一首に選ばれている
 天津風 雲の通ひ路吹きとじよ 乙女の姿 しばしとどめむ
という歌は、まだ宮中に出仕していた頃に、
五節の舞姫の姿を見て詠んだ歌なのだそうですよ。
 
お坊さんになってから詠んだわけではなかったのですね。
 
 
 
では、なぜ出家したのか、というと、
とても可愛がってくれていた仁明天皇が崩御されたからだそうです。
 
 その頃、三人の妻がいたらしいのですが、
二人の妻には出家のことを話したけれど、
一番愛していた妻には秘密にして、だまって出家してしまったとか。
 
その妻は、そのことをとても恨んだのだけれど、
実は、「愛する妻 にその話をすると、決心が鈍ってしまいそうだったから」
だそうです。
 
「大和物語」や「今昔物語」などに、そのお話が書いてあるようです。
 
きっと、熱い心をもった方だったのでしょうねー。
 
 天皇の喪が明けると、皆のところに手紙が届き、
みな人は 花の衣に なりぬなり 苔のたもとよ かはきだにせよ
 (皆さんは花の衣にお着替えになったのでしょうが、
私の僧衣はまだ涙で濡れたまま。せめて乾いておくれ)
と良岑宗貞の筆跡で書かれていたそうですよ。
 
元は、有名な色男だったのに、出家後は、光孝天皇の和歌の師となり、 
ついには、天台宗の僧正の位にまでなった人。
 
 
僧正遍昭のイメージが、ころりと変わりましたよ。
 
調べてみて、よかったぁ・・・・
 
 
 
 
 
では、石上神社に戻ります。
 
17-12.jpg
お参りをして、
17-13.jpg 
 
奥の方へ進みます。
 
17-16.jpg 
 
17-17.jpg 
 
この奥に何があるのか、グーグルアースで、上空から眺めてみましたが、
鎮守の森が見えるだけで、よくわかりませんでした。
 
立ち入り禁止になっていると、入ってみたくなりますね。
 
 
17-15.jpg 
せっかくだから、摂社のほうにも立ち寄って、
 
17-14.jpg 
 
高いところから、奥の奥の、本殿をちらっと眺めて、
建物の周りを点検して、やっぱり本殿には行く道がないとわかり、
バスの方へ戻りました。
 
 
これで、ようやく、一日目の行程のご紹介が終わりました。
 
 
脱線が多くてすみません。
 
 
だけど、こういう脱線部分が、私の一番感動した箇所なんです。
 
 
次の日記は、いよいよ吉野。
 
どうぞ、お楽しみに。
 
 
0.jpg
 
 
 
 





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Last updated  2016.04.18 17:52:13
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