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2017.04.28
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カテゴリ:音楽
昨母がプールに出かけたので、いつものように、庭に出て草取りをしました。最近母はプールの帰りはタクシーを使うようになったので、以前よりも早く戻ってきます。
だから、母が出ていったのを確認したら、カメラと草取り用の軍手を持ってささっと庭へ。
こんな風に時間が限られているのも、集中できるから良いですね。

ついでに、文鳥用のハコベも摘みました。この頃は花のあとの実ができているのですけど、この実を食べるのが気に入っているようです。
とにかく、かごにセットするとすぐに食べ始めてくれるので、嬉しいです。

   

   



さて、今日は、予定通り、テレサ・テンさんの歌う李煜の詩を使った曲を、楽譜にしてみました。


まずは、「臙脂涙」。
   

李煜さんが作った詩の原題は「烏夜啼」なんだけど、詩の中にはカラスが出てきません。

   
だいたい、カラスって夜に鳴くの??? 調べたら、初夏はカラスの繁殖期なので、ちょっとしたことに反応して夜中でも鳴くそうな・・・・
というわけで、この詩を読み返してみると、「春も終わってしまった」と書いてありました。ならば初夏なんですね。本当にカラスが夜に啼いて、それを聞いたあとで書いた詩なのかな。

次に楽譜にしたのが、「虞美人」。 テレサ・テンさんは「幾多愁」という曲名で歌っていらっしゃいます。
   

あとでわかったのですが、なんと、この詩を書いたことがきっかけとなって、毒殺されたらしいです。確かに、もう占領されてしまい、幽閉されてしまった今の立場では、二度と行けない故郷への思いがこもった詩ですね。

もう少し詩をくわしく見てみましょう。
   

春の花、秋の月、という句で、地上も天も、世界中どこでも、ということを表しているそうです。
元は一国の王なので、牢屋に入っているわけではなさそうですが、小さな建物にいることは確か。
その小さな建物に東風が吹いてきたのは、ふるさとの方角から吹いてきた風とも考えられます。その風を感じることで、よりいっそう、故国への思いが増したのでしょう。

昔住んでいた王宮の立派な建物はまだそのままあるだろうけど、自分は年老いて(といっても42歳)みじめな姿になってしまった。「君」というのが誰かわかりませんけど、いったいどれだけ多くの愁いがあるのかと問うて、「まるで長江を流れる春の水が(故郷のある)東に向かって流れ続けるように、私の哀しみも尽きることはない」という答えがあります。
これって、自問自答なのかしら。

なんとか機会をねらっていたのでしょうか、宋の太祖はこの詩を作った李煜さんに、「体を何回も折り曲げて苦しむような」牽機薬という猛毒を盛って、殺してしまったということです。

この猛毒について調べようとしていたら、まず、清代の短編小説「子不語」が出てきました。
「子不語」という本は、乾隆帝の時代に、袁枚(えんばい)という人が書いた怪異談を集めた書。その中に、李煜さんのことが出てきました。
その本によると、李煜さんは纏足の悪習を始めた人で、その後纏足が大流行し、たくさんの婦人が苦しんだことで上帝の罰を受け、まずは死ぬときに宋太宗から毒を受けさせられました。足が進もうとすると頭がのけぞり、女性の纏足よりもさらなる苦しみを受けて、ついには死んでしまったということです。
死後700年たち、李煜(後主)は十分に懺悔したので嵩山に還り道を修めることになりました。ところが、纏足に苦しんで死んでいった女性たちが、李煜を厳しく罰してくれるようにと上帝に訴えたけれど、彼がそれを初めから知っていたわけではないので、結局冥界でぞうり百万足を織り、彼女たちに償いをさせることになったとか・・・

ほんまかいな、というお話ですが、これはある学者さんが夢で見たお話ということなので、それはそれでよいのでしょう。とにかく、清の時代に、「纏足を始めたのは李煜だ」と言われていた、ということです。

もう少し詳しい物が読みたくなって、調べてみました。

安禄山の乱があり、907年に唐が滅んでから、960年に宋王朝ができるまでの約50年間は、五代十国といわれる戦乱の時代。そんな時代に李煜(りいく)さんは十国の一つ南唐の皇子として生まれました。頭が良く、姿かたちは、とても美しかったということです。
身分は皇子で、頭がよくてイケメンということなら、さぞかしもてたことでしょう。

しかし、時は戦国、嵐の時代。19歳の頃、後周の侵略を受けて国力が弱まり、22歳になった頃には、江北の郡県はすべて周に献上。
六番目の皇子だったのだけれど、次々に兄たちが亡くなったため、25歳の時に王に即位。それから15年間、戦国の世を生き抜く工夫が必要だったはずなのに、目先の安逸をむさぼり、音楽と女色に耽溺し、宴や吟詠の楽しみにふけって月日を浪費。書にもすぐれていたそうな。

34歳のとき、北宋が送り込んできた少年僧に心酔し、仏事に迷って国事を省みず、諫める者があると犯罪者として扱ったということです。この僧の狙いは、李煜を仏教の虚無世界に引き入れて、朝政を荒廃させ、寺院の建設や仏事に財力をつぎ込んで国の財産を使わせてしまうことにありました。

このことについて諫言する忠臣たちを次々と牢に送り込んで、聞き入れようとはしなかった李煜さん。37歳の時に、宋の太祖から招かれたのだけど、陳喬さんと言う人に止められたので、思いとどまって行かなかった。するとついに39歳の時に北宋の大軍がやってきて、包囲されてしまう。
李煜さんは、尊敬していた僧にすがりましたが、祈るだけでは何も解決せず、ついには病と称して出てこなくなったので、ついに僧の狙いを察し、毒殺してしまいます。
ほどなくして、城は陥落し、南唐は滅んでしまい、李煜さんは捕虜となって宋の都に幽閉(といっても、小さな建物はもらっていた)されました。

幽閉されてからも、詩を作り、それに曲をつけさせて歌にすることなどは許されていたのだけど、ある日「虞美人」の詩が歌われるのを聞いてしまった太祖がひどく怒り、毒を飲まされることになってしまいました。
亡くなったのは、ちょうど誕生日。洛陽に葬られ、妃もまた、そのそばに陪葬されたということです。


小楼昨夜又東風、一江春水向東流
などの句が禍を招いてしまったのですね。

地図で見ると、真東というわけではなくて、南東の方角のようです。李煜が暮らしていた都には長江が流れ、幽閉されていた宋の都には黄河が流れていたのだけど、中国の河はどれも同じように東へ流れていくので、故郷を想いだしたのかもしれません。

   


昨夜は、この後、虞美人について調べていて、京劇を見るところまで行きましたよ。楽しい夜でした。





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Last updated  2017.04.28 08:44:51
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