少子化について
少子化の原因を女性の社会進出だとか経済の悪化だとか、学術的に分析されているけれど、根源的には人間の理解を超越した強大な力によるコントロールだと感じています。 人口が減ることは経済的には暗雲を立ち込めさせることには違いないけれど、巨視的な視点に立てば必ずしも悪いことではありません。 人口増が続けば消費が増えるために経済は活性化しますが、逆に食糧問題、エネルギー問題、住宅問題などが深刻な社会問題となります。人口減が続けば経済が疲弊し、国力が低下する変わりに、食糧問題等は解決する。いずれにしても人間は何らかの問題を抱えることになるのです。 こう考えると、少子化を必ずしも悪と決めつけることにどれほどの意味があるのか疑問です。少子化になった現実を受け止め、少子化でも経済的行為が潤沢に行われるように知恵を絞るべきで、少子化の原因が強大な力に起因するとすれば人口の増減を人間の力でコントロールするのは無理があるのです。 スカンジナビア半島に生息するレミング(タビネズミ)は、数が増えすぎると種の存続が危ぶまれるため海に飛び込んで集団自殺をするといいます。動物は人間と違って考えるという行為をしないので、種の保存のためにあらかじめ遺伝子に組み込まれた行動でしょう。もしかしたら人間も種の保存のために少子化の波が押し寄せたのかもしれません。 空想はこれまでにして、現実問題として、少子化によるメリットもありますが、デメリットも厳然と存在し、その中でも最も大きなものは経済生活ではなく国力の低下です。 一〇〇人に一人の確率でリーダーや猛者が生まれるとして、一〇〇〇人の国では一〇人のリーダーが存在しますが、一〇〇〇〇人の国では一〇〇人存在するわけですから競えば勝敗は目に見えています。綱引きをしたって、人数の多い方が有利なことは改めて確かめることもありません。 国力という観点では少子化は致命的です。日本という国家の存亡に関わる一大事です。 政治家に委ねても好結果が得られない現実の中で少子化に歯止めをかける手段は、個々の意識変化しかないのです。 目を背けないで、しっかり見つめてください。今いる世界を!