cafe de zazie

『子供の目が輝く時～愛と自由の創造共育』
和久洋三講演会に行ってきた。

和久洋三さんがデザインする童具館のおもちゃは
ほんものの『子供のためのおもちゃ』だと思う。

トイザらスなんかに行くと、
ほとんどが『大人のための子供のおもちゃ』だ。
「これで遊んでてね」「これで機嫌なおしてね」

かくいう私も、それを願っていた時期があった。
「お願い!! 頼むからこれで５分間だけおとなしくしてて!!」
無理だったけど。

基本的に子供におもちゃはいらないと思った。
見立て遊びができるようになる二歳半まで、
おもちゃじゃないものの方が、娘は好きだった。
私が遊んでやる時に、おもちゃがないと間がもたないだけだった。

そんな中、これだけは与えてみたかったと思うものがある。
童具館『カラーボール』和久洋三さんの作品だ。

一歳の頃、これに似た木製のウッドビーズ特大で、
一時間ほど夢中になって遊んだことがある。
転がるのが面白くて、音や手触りが気持ち良くて、
集めても集めてもちいさな手指からこぼれ落ちるのを、
何度も何度も繰り返していた。真剣そのものだった。
「なんで転がるの!?」「なんで落ちるの!?」
遊び終えた時の満足そうな顔を忘れられない。

和久洋三さんはそういう子供の心を知り尽くしているのだろう。
他の作品もすばらしいものばかりだ。
「子どもの「なんで？どうして？」に応えるために
ずっとやってきた」とおっしゃっていた。

童具館のおもちゃは積み木が中心で、
とても高価だけれど、内容は納得させられる。

うちもおもちゃは積み木中心…というかONLYで
買い与えていくつもりだったので、
今回の講演はかなり興味があった。

和久さんは『わくわく創造アトリエ』という
私塾みたいなものもやっている。
http://www.w-playroom.jp/index.htm
一見すると早期美術教育に見えるかもしれないけど、
そうではなく、創造する遊びを通して、
夢中になって遊び込むことを知り、
好きなことにのめり込む喜びを知り、
のびのびと生きる力を養おうというものだ。

カリキュラムはかなり魅力的。
習い事をさせるつもりはぜんぜんなかったけど、
これなら自分が通いたいくらいに楽しそう!!
月謝はびっくりするほど高いけど。


また、自分が絵描きなので、娘の美術教育は真剣に考えている。
「何も教育しないこと」である。
とにかく邪魔しない、何もさせない、何も言わない、
けなさないけど、ほめもしない。
幼稚園や小学校でもそうしていただきたい!!
娘の絵になんか言ったら許さんぞ!!

よい画材を用意しておいて、
描きたい時にすぐ描けるようにして、
毎日たのしく過ごしていれば、
ほうっておいても子供はのびのびとしたいい絵を描く。
大人は邪魔しないことに尽きる。

…と考えていたのだが、
それでいいのかどうか、他の意見も聞いてみたかった。
今回の講演会に行く目的にもなったのだが、
質問せずとも講演の中で多く語ってくれていた。
和久さんの意見とは、完全に一致していた。

いい絵を描くように教えることは絶対にできない。
いい体験をして、いい気持ちになったら、
勝手にいい絵を描いてしまう。
それは大人でも同じことだ。

もう大部分の人がそう思っていると思うのだが、
なかなかそういう教育をするところは少ない。
美大受験法の早期教育でしかないところがほとんどだ。
なんでなんだろう？
「教えない」ことにお金をもらえないからかな？


またとりとめなく書いて、長い日記になった。
講演会のメモを書き残しておこうと思う。
また明日。