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カテゴリ:ゲージュツのこと
去年の秋から立ち上げたリトミックサークル、 もう一年がたとうとしている。 ベテランのピアノ教師である夫の姉と、 かつての教え子で、今は教師仲間のハヤマ先生。 長年リトミック教師としての訓練を受け続けていた二人が、 「本物のリトミックを子供たちに伝えたい」という想いで、 かなりの低料金で、サークルとして始めてくれた。 リトミックと言うと、 たいていの人は、歌って踊ってのお遊戯感覚だったり、 リズム体操と思っている人も多いと思う。 とにかく、CDでもなんでも音楽が鳴って、 歌いながら踊っているだけで、 リトミックと言ってしまっていることも多いと思う。 それはそれで、とっても楽しいので、 全部否定するわけではないのだけれど、 とりあえず『リトミック』ではないかもしれない。 少なくとも、リトミックの祖である ダルクローズが始めたリトミックではない。 リトミックとは、 音の印象を受け取り、 それを自分の身体で自由に表現することで、 それは、舞踊、演劇、音楽、美術、 あらゆる芸術の基礎となる。 実際に日本の第一線の歌舞伎役者など、 ダルクローズの教えを受けていたそうだ。 小さい頃から、自分の考えや想い、感覚を、 身体をつかって表現する。 これは素晴らしい芸術活動であり、 ちいさな子供の心が、満足感や充実感でみたされ、 感性が磨かれる。 遠い未来の芸術的感性のための種まきなのである。 そんなふうに言うと、さぞやコムズカシイことを 幼児にやらせるのか?と思うかもしれないが、 なったく逆なのである。 子供こそ自由表現の天才で、 いろんな音色を聴いては、 感じたままに好きなように動いている。 どんな子供も、生まれながらにして芸術家なのだ。 その芽をつんでしまうのは、親であり、親切すぎる教育だ。 そっとその子が自分で育つのを見守る姿勢、 表現するのを邪魔しない姿勢が必要である。 リトミックは、さらにそれを引き出すもの と考えていいと思う。 私はこのサークルを立ち上げる前に、 いろいろな一般的なリトミックのクラスを体験してみたが、 どうも????と思えることがたくさんあった。 もうしっかりと振り付けが決まっていたり、 音源がCDなので、それぞれの子供のペースに合わせられなかったり、 子供が突然、面白いことをやったり、言ったりしても、 しっかりと対応しきれなかったり。 結局、こどもが自由に表現できないのである。 それってリトミック? 一番大事なこと抜けてない? お遊戯、器楽演奏なら幼稚園に入ってからでいいよねぇ。 あと、どこもなかなか高い受講料なので、不思議だった。 だって、ピアノひとつあればいいのだから、 なんでこんなに教材を買わせる必要がある? 一歳児に色や数を教えるために、 色のカードを買わせてるとこがあった。 自然に覚えるって!!! ひらがなも、あいさつも、英語も、 リトミックで教えなくてもいいです。 その分の時間とお金を省いて、 しっかりとホンモノのリトミックだけに集中してほしい。 そういうレッスンするとこないわけ!? はい。やりましょう。 ということで、はじめたサークルだった。 一年やってみて、私と娘は大満足。 隔週の木曜日が楽しみでたまらない。 しかし、それは全員というわけではないようだ。 たくさんの人が体験会に来てくれたし、 何か月かレッスンに通ってくれた人もいたけれど、 これがなかなか続いてくれないのだ。 なんでなんで? あまりに本格志向なので、地味すぎるみたい。 まず、リトミックは歌って踊ってああ楽しい!! それだけのものと思っていて、 それ以上はいっさい求めていない人が多いこと。 ひらがな、あいさつ、英語なんかいらん!! と思っている人ばかりではないこと。 本来、遠い将来の芸術的感性に働きかけるものなので、 今すぐに目に見えてわかるような効果がないこと。 会場がスタジオで窓がないので、窮屈感があるという人も。 あと「うちの子が、なかなかできるようにならないので 他の生徒さんに迷惑がかかる」という人がいた。 なんで?できるできないの問題じゃないんだけどな。 いろいろ試行錯誤しながら、 快適にレッスンできるようにがんばってます。 どんなことをするかというと、 (私は2歳ー3歳クラスしかしらないのだけれど) 先生の生ピアノにあわせて、いろんな動きをしてみる。 例えば「おさんぽいきますよ」 歩くリズムのメロディが流れてきたり、 自転車にのるようなメロディ、 立ち止まるような音、スキップみたいな音、 音を良く聴いて、変化するたびに、動きも変える。 例えば、ぴょん!! と跳ねる動き。 ピアノの音がバーン!!となったら、ぴょーん!! ちいさくなったら、ちいさくぴょん!! 低い音、高い音、いろんな音がなる度に、 その子供なりのぴょん!!を表現してみる。 いろんな言葉に、即興で音程をつけてお話しあったり。 こどもって誰でも天才作曲家だと気付かされる。 小さい子なので、突然あきて寝転んじゃったり、 場所に慣れなくて、最後まで泣いていたり、 レッスンにならないこともあるのだけれど、 幼い子には当然のことなので、それはそれでOK。 泣いてても、すねてても、歌わなくても、 耳はしっかり聴いていることがほとんどだ。 レッスンでは一言も発しなくても、 お家に帰ってから、完璧に歌い出すことも 少しもめずらしくない。 うちの娘はノリノリで、はしゃぎ過ぎてしまうタイプなのだが、 それでもいろんなことがあった。 最近、とても達者な4歳の女の子が入ったと同時に、 あれだけ好きだったリトミックなのに、 突然、歌わず、動かずになってしまった。 小太鼓を縦において、先生と向き合ってのセッション。 「先生がポンポコポポンと叩いたら、同じように叩いてみて」 四歳の子は、かなり難しいリズムもなんなくできてしまった。 「つぎはRちゃんの番、先生の次にやってみて」 「いや、やらない」てこでも動かない娘。 「OK。じゃ、Rちゃんが先に叩いて。先生がまねをするから」 突然ぱーーーっと笑顔になった娘。 「うん!!」 嬉々として、いろんなリズムで太鼓を叩く。 おとなでも思い付かないような面白いリズムを次々作り出す娘。 「わー、先生まねするのが難しい~」 娘はすっかりご機嫌がなおってしまった。 母はわからなかったのだけれど、 先生は娘の気持ちをくんでくれていたのだ。 四歳の子があまりにも何でもできるので、 「私はあんなにできない」と すこしショックだったらしいのだ。 太鼓のセッションも、先に完璧にされてしまったので、 もし、自分ができなかったら傷付いてしまうから やりたくなかったのだ。 それを先生は感じてくれて、 「じゃ、Rちゃんが先に叩いてみて」と 言ってくれたのだ。 感動!! そういった複雑な子供心がみえることは、 わりと何度もあって、その都度、 ベテランならではのきめ細かい配慮があるので、 娘もすっかり先生を信頼しているようだ。 真剣に音を聴きわけようとするおとなびた表情に、 胸が熱くなる。 こどもだもの。 嫉妬やわがままもあって当たり前。 人間だもの、欠点もあって当たり前。 長所とか短所とかじゃなくて、まるごとの個性。 そのままでいいのだ。 まんまるその子のまんまでいいのだ。 まんまるその子のまんまだからこそ、 その子なりの表現がうまれる。 その子のまんまでなければ、 芸術などありえないのだから、 その子が否定されるようなことなどありえないし、 絶対にあってはならないのだ。 親自身でさえ、わが子にたいして、 そういう目でみられない時もある。 いろんなことに気が付かせてくれるリトミック。 やることは単純で自由だけれど、 奥深いものがあって、感動させられる。 ---------------------------------------------------------------------- リトミックサークル『フェアリーランド』 体験者随時募集中 ●毎月第1.3火曜日 Aクラス(1歳半~2歳) 10:40~11:20 Bクラス(2歳~3歳以上) 11:30~12:10 ●大阪市西区民センター レッスン室 (地下鉄千日前線 西長堀駅を出てすぐ) ●月謝2000円 保険料200円を前納 ●申込先 講師はやまようこ Eメールでの申し込みは終了しました。 電話のみになりますので、 申し込み、問い合わせをされたい方は、 私あてに(rakutenメールにて)ご連絡ください。 先生の電話番号をお知らせいたします。 ※体験会は500円で参加できます。 ※年末年始など月一回のときは、月謝も1000円になります。 ※欠席された場合は500円返金いたします。補講はありません。 ---------------------------------------------------------------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 1, 2007 07:14:09 PM
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