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テーマ:今日聴いた音楽(75553)
カテゴリ:音楽
まず「夜の女王」(Queen of the Night)の話を少しばかり
一連のファンサイトの騒ぎ、色んな意見があって、まあそれはそれ みんな舞姫が好きという気持ちに変わりは無く、また何が正しいか?!なんてのも、これは結局はスケートの神のみぞ知るというところでしょうね。 どんな曲を舞おうと、自分の想いを全て出し尽くし全てを曲に練りこんでいく、まさに「ミキ色の言葉で無い何か」をリンクに刻む舞姫に、スケートの神様、彼女に心からの満面の笑顔を与え給え!!!!!!! ただ一点だけ、キャンバスに描かれた絵にさらに何かを描くことは難しい、例えを変えれば、思い出の上塗りは難しいものだ。 以前の氷上ネタでも話題に出したが、音楽にせよタップにせよ、それらから心から繰り出す生の感情のアドリブに、心から生の感情を刻むスケートがコラボする事は自分は難しいと考えている。 メロディーソロは重ねられない。 それならば、いっその事、どちらかが引いて伴奏やリズムを刻んだほうがお互いが引き立つというものだ。 ファンサイトの書き込みに「夜の女王」(Queen of the Night)はインパクトに掛ける、曲調が単純との意見があった。 それは大いに結構な事だと思う、曲が地味で単純であれば、舞姫の個性がむしろ引き立つではないか!!! これまでもそんな単純さ単調さを感じさせる曲でこそ、舞姫の個性が引き立つことは多かった、いや多かったと思う。 是非、「夜の女王」(Queen of the Night)を続けて使うならば、曲に合わせるのではなく、曲を自らに合わさせて、何の束縛も無く「ミキ色の言葉で無い何か」を思う存分に魅る人間の心にえぐる様に刻んで欲しい、いや刻むに違いない!!! さて氷上の舞姫に似合う音楽ということで、かなり以前から話題にしておきながら伸び伸びにしていましたが、お待たせしました。 以前から、我が歌姫ビリー・ホリデイの曲をずっとやって欲しいと思っていたのです。 理由は後で話すとしてEXの「ノイズ & ファンク」、タップという黒人文化からの選択、そして前半の女性ボーカルJAZZ 曲の解釈と使い方には、凄い不満(理由は以前のブログのとおりです)がありますが、よくぞこの路線を舞姫の題材に選んでくれたと自分の希望との近さにビックリしました。 (もっとも「レクイエム」のほうがもっと近いのですが) 「ノイズ & ファンク」 Bring In'da Noise Bring In'dafunk -Original Cast ブラックアメリカンの歴史を迫力の歌、MC、そしてタップでつづる衝撃の作品という。 ブラックアメリカンの音楽と舞、それは差別という悲しみの歴史からの魂の叫びでもあります。 いつものようにくどいですが「綺麗で優雅で一生懸命で感動的」これが世間一般のフィギュア感なら、舞姫のフィギュアは「絶望的な悲壮感さえ漂う魂の叫びで衝撃的」に魅えます。 いや、世間一般のフィギュアが心に感動を呼び起こすものなら、舞姫のフィギュアは心をえぐる衝撃です、心を攻めてきます。 今まで心身を涙だらけ傷だらけ血だらけにして生きてきた舞姫の魂の叫び、それが舞姫のフィギュアです。 ブラックアメリカンと舞姫、まさにこれ以上無いベストタッグではありませんか!!! あとは、タッグワークをどうするか、そこを踏み外したのが「ノイズ & ファンク」なら、見事なタッグワークを魅せたのが「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、但しこれはあくまで始めての手合わせ、本格的な成功例は、題材自体が傷の「HURT」と、女郎というこれもまた虐げられた民衆を題材にした「SAYURI」だろう。 『Lover Man』 Billie Holiday - Lover Man (http://www.youtube.com/watch?v=thSfGPZGmnQ) Norah Jones - Lover Man (http://www.youtube.com/watch?v=jmf6Oehm1OA) ということで我が心の歌姫、不世出の悲劇の黒人女性歌手ビリー・ホリデイの曲から『Lover Man』を推薦したいと思います。 ノーボーカルの今風のアレンジのカバーを探し切れなかったのでノラ・ジョーンズのピアノの弾き語りを参考資料として出しておきます。 (つまりビリーの歌声入りの音楽をそのまま使うことは無いという意味も込めて) ビリーといえば「Strange Fruit (奇妙な果実)」と通称レディ・デイのファンなら言うかもしれない。 黒人初の大統領の時代、そしてマイケル・ジャクソンという最高の黒人ドリームを達成したヒーローが没した今日、黒人差別を歌った曲は話題性は十分だし、父親と不幸な別れをしたスケーターには、歌い手の父親の死に思いをはせた曲となれば、演じがいのある曲であっても不思議ではない。 ただあまりにも刺激が強すぎる、木に吊るされたものがものだけに・・・ だったら、くちなしの花を髪飾りにしたエリノラの曲ならあの曲、この曲とジャズファンなら色々と挙がるだろうし、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」や「サマータイム」といったフィギュアファンにおなじみの曲も持ち歌だ。 しかし、あえてこの曲『Lover Man』を推薦したい。 陸軍に入隊したばかりの若い兵士ジミー・ディビスが、寂しさを紛らすために夜空を見上げながら詩を綴る。未だ見ぬ恋人、戦地に赴くともしかすると永遠に逢えないかもしれない恋人を夢見る詩だった。この詩をあの歌手は気に入るだろうか、そして歌ってくれるだろうか、と考えたら眠りにつくこともできず兵士は、ファンレターを添えて手紙を出す。宛て名はミス・ビリー・ホリデイと書かれていた。 これについてビリーは自伝でこう書きしるしている。 「私はジミー・ディビスのことを思い出すと泣けてくる。彼はその生命と才能とを、誰にも知られることなく、戦争のためにもぎとられた。彼は入隊中にラバー・マンを書き、それを直接私に贈ってくれた。私はそれが気に入って、レコードに吹込みたいと思った。それが実現する前に、彼はヨーロッパに向けて出発し、そのまま二度と帰らなかった。戦死したのである。」 黒人であること、女性であること、そのために差別という悲しい人生を歩んだ不世出の歌手、愛とは無縁だった悲惨な少女時代、そして男や世間に食い物にされ、裏切られるほど、余計に愛に不器用になり利用され続けた迷走の歌手時代・・・(だからと言って薬は絶対いけない!) 死と向かい合った若い兵士の未だ見ぬ恋人と憧れのヒロインへの想いと、愛を追えば追うほど、裏切られ傷ついていったビリーの愛する者への想いが込められた『Lover Man』 上手になるため、勝つため以上に、友達と一緒にいられるだけで嬉しかったノービス時代からはじまり、時として憧れのしーちゃんを始め多くの先輩の活躍に新たな夢を描きながらも、スケートを愛せば愛すほど、目も当てられない多くの試練を与えられ、心身共に満身創痍に何度も陥り、時として不器用に空回りさえしてしまい、リンクに立つだけで足が硬直し涙を流し続ける経験を持ち、それでもなお、今この瞬間もリンクで舞う女性にとって『Lover Man』つまり「(スケートを始めとして)愛する」とは何なのか、「それでも愛し続ける」とは何なのか、その想いを是非、氷上で表現して欲しい!!!!!!! (もちろん、この曲で無くても「愛する」を表現することは出来るんですがね) Strange Fruit (奇妙な果実) Billie Holiday (with Louis Armstrong) My Funny Valentine Left Alone - Mal Waldron ビリー・ホリデイ/ラヴァー・マン 奇妙な果実 / ビリー・ホリデイ 【CD】レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)/マル・ウォルドロン マル・ウオルドロン 次回、氷上ネタ予告 YouTube - Asby1 09 13 YouTube - Asby2 01 15 YouTube - Asby2 13 15 YouTube - Asby2 14 15 YouTube - Asby2 15 15Final YouTube - Be Forever Yamato (14-14) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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