テーマ:サッカーあれこれ(20050)
カテゴリ:UEFA
ここ2日、壮絶な試合を観させられ、ヨーロッパサッカーの前に興奮しっぱなし。 今大会最強の攻撃力をもって死のグループを3連勝で突破し、且つ主力選手を1週間以上休ませられたオランダ。 そして、初戦スペイン戦での出来からはさすがのヒディンクマジックも今大会は見られないのかと思わせられたが、最終的には帳尻をあわせ、スウェーデンも粉砕して、着実にチーム力を増してきた中2日と疲労も蓄積しているだろうロシアの一戦。 前半からロシアはサエンコが右ウイング。アルシャフィンが左に開いた4-1-2-3で攻撃的。オランダの破壊力を前に積極守備、積極攻勢で対抗しようというのだろう。攻撃時はこの形で守備時は4-1-3-2にスイッチし、ファンデルファールトはセマクがケアする形。ジルコフのFKを皮切りにアルシャフィン、サエンコ、ズイリヤノフとそれぞれドリブルで仕掛けられる選手がいて、セムショフが動き出しでチャンスを作り出す。しかし、ロシアの攻撃の中でも前半特に目立ったのはCBのコロジン。3本だったろうか。この前の試合では余り覚えが無いのだが、とにかく強烈なロングシュートを持っている。それもゴールのわずか上、わずか横といった本当にあとちょっとの高性能ロング♪センターサークルあたりからも狙っていけるキック力とその精度は衝撃的! ゲームの流れはロシアにあるように見えるが、決定的なシーンはファンニステルローイのシュートなどオランダに多かった。 後半はオランダがカイトを下げて、ファンペルシーを投入。更に、試合前に生まれたばかりの子供を亡くしたブラルーズを下げて、ハイティンハを投入。 しかし、直後にアルシャフィンの左サイドからの強烈FK!!あとボール一個分の差で枠を反れたが、彼はFKも武器として持っていたとは♪そして、56分。アルシャフィンのスルーに左サイドかけあがったセマクがクロス。これをゴール前DFの前にポジショニングしたパブリュチェンコが難なくあわせて、ロシアが先制!!! 圧倒的な強さを誇ったオランダがとうとう今大会、初の先制点を奪われた。ここでファンバステンはアフェライを投入。これでファンデルファールトがボランチに下がり、アフェライがトップ下に入る更に攻撃的に。 ただ、中盤で激しい寄せからのカウンターでロシアのチャンスが続く。先ずは、アニュコフ。驚異的なオーバーラップから、サエンコからのパスを受けて、コースは無いもののGKとの1対1で決定的なシュート!!これはファンデルサールが見事にファーンセーブで防ぐ。更に、アルシャフィンが左サイドを抜け出し、ゴール前を転がる強めのクロス。サエンコがボールに届きさえすればゴールだったという決定的なシーン。80分にも、ズイリヤノフ、またジルコフが何度もエリアに侵入するロシアにとっては大チャンスを迎えるが、追加点は奪えず。 このまま終わらないのが今大会の白熱しているところ。この試合でもドラマが起きた。 86分。左方向からのFK。スナイデルのキックはDFラインとGKの間に入っていくボール。これをファンニステルローイがヘディングで決めて、苦しい中でようやくゴール。 ロスタイムには、コロジンが2枚目のイエローで退場かという一悶着もあったが、そのプレーの前にラインを割っていたという事でイエローは取り消し。ロシアは一人少なくなるという最悪の状況は免れ、前後半は1-1のドローとなった。 延長戦はアルシャフィンの中央一人交わしてのシュート、そしてクロスバー直撃のパブリュチェンコの左方向からのシュートなど、ロシアの攻勢が目立つ。延長後半に入ると、オランダは足が止まり始める。しかし、ロシアはスタミナに陰りが見られない。ジルコフの突破、アニュコフの積極的なオーバーラップ、そしてビリャレトジノフのドリブルも効果的。どんどんとゴールに迫るプレーでオランダを苦しめる。 そして、112分。アルシャフィンが左サイドをドリブル突破。DFにつかれながらもふわっとしたクロス。これを猛然と走り込んできたトルビンスキーが左足でギリギリあわせて、快心のゴォール!!!! これでオランダは完全に集中の糸が切れてしまった。 116分。アニュコフがオランダのディフェンスラインよりも高い位置にいるアルシャフィンに早いロングスロー。オフサイドなしで、難なくDFラインの裏をとったアルシャフィンがファンデルサールの股を抜くシュートでゴォォォール!!!!これで2点差。 ロシアが見事な120分の戦いを終え、何とも驚愕のイタリアもフランスも粉砕したオランダを撃破し、ベスト4進出を果たした。 ヒディンクマジックと一言で片付けてしまっては勿体無い。攻撃と守備時でシステムを使い分け、アルシャフィンは左だけではなく中央にも入り、その時はパブリュチェンコが左に流れ、起点を作る。ズイリヤノフは常にスペースをみつけて攻撃におけるバランサーとして、また突破の有効な一打として機能し、後半には、左利きのトルビンスキーを右に置き、結果ゴールにもつながり、ビリャレトジノフとズイリヤノフは中央と左で頻繁にポジションチェンジを行いジルコフの攻撃参加は後半延長からうながすという見事な采配。 次の対戦相手がどうなったとしても目が離せない最高の戦いを見せてくれそうだ♪ 最後に、ロシアという国は樺太出身の祖父を持つ俺にとっては財産を奪われた憎むべき国だった。ただ、その憎しみがサッカーによって消えてしまう感動を与えられた。サッカーの奥深さは単なるスポーツエンターテインメントに留まらないものだとあらためて感じた。 ~Man Of The Match~ アンドレイ・アルシャフィン(ロシア:ゼニト) 先制点演出、勝ち越しゴールをアシスト、そしてダメ押しゴールを奪う、最高の仕事ぶり。今大会No1のファンタジスタと言っていい衝撃を与えた。 ~Surprise Player~ デニス・コロジン (ロシア:ディナモ・モスクワ) 守備はそれほどまでに良いとは言えない。荒っぽいプレーが多いし、後半最後にはあわや退場かとも思わせたし。それでも、あの強烈で且つ正確なロングシュートを何度と無く魅せてくれた。FKでも一度見せてくれたが、今大会でゴールをあげて名を上げそうな勢いを感じた。 ここまで読んで頂き感謝です。面白かったとか好印象であれば、ここをクリックしてランキングUPにご協力下さいませ~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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