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2006/03/22
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カテゴリ:読書感想
【佐賀のがばいばあちゃん】
島田洋七
【Story】

昭和三十三年、広島から佐賀の田舎に預けられた八歳の昭広。そこでは厳しい戦後を七人の子供を抱えて生き抜いたがばい(すごい)祖母との貧乏生活が待っていた。しかし家にはいつも笑いが溢れ…。黒柳徹子、ビートたけしも感動した超話題作。




    <読書感想>

この本を読んで、母方のばあちゃんの事が思い浮かんだ。

ばあちゃんのボロアパートには、常に瓶の三ツ矢サイダー
が2ケースもストックされていて、私と兄が遊びに行く度に
何本でも栓を抜いて飲ませてくれた。

そう言えば、私と兄が乗った電車を手を振って見送る
ばあちゃんを置いて帰るのはとても切なかったな。
あの腰の曲がった小さな背中が、6畳間の部屋にポツンと
たたずむ姿を思うとたまらなく後ろめたかった。

島田洋七さんが、7年も共に暮らしたばあちゃんの元を
旅立つ時、私の何十倍も切なくいたたまれなかった
気持ちを思った。




そんなうちのばあちゃんは、今も生きてはいるが、
痴呆症でもう私のことも母のことも分からない。

母に一度「さみしくないか?」と聞いたことがある。

母はこう言った。
「年をとって忘れていくっていうことは、
 この世に未練を残さないように。心残りがないように。
 後に残した人のことが気にならないように。
 だから、これでいいんやと思う。全部忘れていいんやと思う。」




巣立つときも、天に召されるときも、
これから旅立つものと、置いていかれるものがいる。
いろんな思いがあっても、いろんな思いがあるからこそ
ずっと一緒にはいられない。

でも、その思いはずっとずっとかけがえのないものと
して心に残る。





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最終更新日  2007/07/21 12:02:45 AM



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