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カテゴリ:読書感想
<読書感想> 物語の真実を知る前に、 既に私は「石神」という人間を好きになっていた。 ずんぐりした体型で顔は大きく丸い。 そのくせ目は糸のように細く頭髪は薄い、 うだつの上がらない高校教師の石神を。。。 「東野圭吾」原作のドラマ「白夜行」の最終回で 「人生を捧げた人間より、捧げられた人間の方がつらい」 というくだりがあったが、 この本も本質はここにあるのかもしれない。 そもそも人間は、 親が我が子に無償の愛を捧げるように、 愛しているからといって、 血もつながっていない赤の他人の為に、 自分の全てを犠牲にできるものなのか。 なんの見返りを期待せず、永遠に与え続け られるものなのか。 私はいつも距離が近い人ほど「自分が自分が」 になってしまうし、 愛情の深い人にほど、見返りを求めてしまう。 期待するとがっかりするから、期待しないよう にしているけれど、そう考えてる時点で既に 無償の愛じゃないよなぁ。 自分の中に渦巻く、いろいろな思いに振り回されず 無償の愛を捧げることができたなら、 こんなに悩まなくてもいいのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/05/13 07:35:03 PM
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