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2006/04/04
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カテゴリ:読書感想
【容疑者Xの献身】
東野圭吾

【Story】

天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか。これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。



   <読書感想>



物語の真実を知る前に、
既に私は「石神」という人間を好きになっていた。

ずんぐりした体型で顔は大きく丸い。
そのくせ目は糸のように細く頭髪は薄い、
うだつの上がらない高校教師の石神を。。。

「東野圭吾」原作のドラマ「白夜行」の最終回で
「人生を捧げた人間より、捧げられた人間の方がつらい」
というくだりがあったが、
この本も本質はここにあるのかもしれない。




そもそも人間は、
親が我が子に無償の愛を捧げるように、
愛しているからといって、
血もつながっていない赤の他人の為に、
自分の全てを犠牲にできるものなのか。

なんの見返りを期待せず、永遠に与え続け
られるものなのか。


私はいつも距離が近い人ほど「自分が自分が」
になってしまうし、
愛情の深い人にほど、見返りを求めてしまう。

期待するとがっかりするから、期待しないよう
にしているけれど、そう考えてる時点で既に
無償の愛じゃないよなぁ。

自分の中に渦巻く、いろいろな思いに振り回されず
無償の愛を捧げることができたなら
こんなに悩まなくてもいいのかも知れない。






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最終更新日  2006/05/13 07:35:03 PM



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