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2008/01/06
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カテゴリ:読書感想




【ミーナの行進】 評価:★★★
小川 洋子  
【Story】
美しくて、か弱くて、本を愛したミーナ。

あなたとの思い出は、損なわれることがない―懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。



   <読書感想>

この本のもつ雰囲気は独特で、でもどこかなつかしい感じがする。


小学校の頃、父が仕事で遅くなる日に、
母と兄と私の3人で外食をした。


うちは田舎で、特別な時以外に外食する文化がなかったから、
本来ならワクワクドキドキするはずのレストランでの食事が

「父がいない」
というだけで、ただそれだけで、
なんだかひどく間が抜けていて、落ち着かない感じがしたことを
今でも覚えている。


たとえそれが疎ましく嫌うべき存在であったとしても、
あるべきものがたった1つ足りないだけで、
足元はすぐに心もとないものになってしまう。




でも、ミーナも伯母さんもおばあさんもみんな
自分の役割を淡々とこなしている。

あの日の私が、楽しそうに振舞ったように。
兄がそれほどでもないピラフをうまいうまいと
言ってムシャムシャと食べたように。


足りないのに
足りないものなんてまるでないかの
ように振舞うことは、なんとなく切ない。

だけど、ほんとはものすごく前向きなことではないか
そう思えた。


あるべき場所にあるべきものが収まっている。
それは普通のことなのに、足りなくなってから分かる。
それがどんなに心安らぐことなのか。

でも大丈夫。
足りないものなんてまるでないかのように振舞えばいいんだよ。
ミーナは、そう教えてくれる。










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最終更新日  2008/01/10 01:16:36 AM



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