桐一決勝不敗神話ついに崩れる!!劇的幕切れで前商が2年ぶり4回目の甲子園!
第89回全国高校野球選手権群馬県大会決勝「王者」桐一に「最強の挑戦者」前商が挑むというこの対戦は、今や群馬の新黄金カードになりつつある。前商エース佐々木の不安定な立ち上がりを攻め、2点を先制した桐一。投げてはエース藤岡がMax144kmを記録したストレートを中心に、序盤から強打の前商打線に対し、三振の山を築く。このままコールドも有り得るかと思われたが、桐一は2回以降立ち直った佐々木からヒットさえ打てなくなる。逆に前商は藤岡の時々来る甘い球を見逃さず、4回に亀井のタイムリー、7回に金子、8回に樺澤の本塁打で遂に王者桐一を逆転する!桐一打線は前商エース佐々木の重くキレのあるストレートに梃子摺り、三振と凡打の山でなかなかチャンスを作れない。一方、桐一の藤岡も失点を喫した甘い球こそあったものの、それ以外は前商打線につけ入る隙を与えず、キレのある直球とカーブ、ストレートで奪三振ショーを繰り広げる。3-2と前商1点リードのまま迎えた9回裏、桐一は2番鈴木が相手エラーで出塁、2塁まで進み、バントで送った後、迎えるは4番伊藤。9回2アウトから、これまで数々の奇跡を起こしてきた桐一。9回裏にランナーが出た時点で、この試合でも当然そうなる可能性は秘めていた。伊藤は佐々木の直球をレフトへ犠牲フライ、これを見て三塁ランナー鈴木がタッチアップしたが、ボールはライトからショートを経由しバックホーム!どちらとも取れるようなクロスプレイだったが・・・結果はアウト!前商が昨秋の雪辱を果たし、2年ぶり4回目の甲子園切符を手にしたと同時に、8連続勝利中だった桐一の決勝不敗神話が崩れた瞬間だった。2回以降、前商エース佐々木を全く打てなかったのが桐一の敗因。10奪三振のエース藤岡を結果的に見殺しにしてしまった。逆に前商は藤岡の甘い球を見逃さず、2本の本塁打で決着をつけた。Max144km、全国トップレベルの左腕でプロ入り確実とも言われる藤岡の球を、狙って2本もスタンドに叩き込めるチームなど全国にそうは無い。高校通算本塁打38本のプロ注目打者樺澤、28本の2年大古を中心とする前商打線はかなり強力である。エース佐々木は尻上がりに調子を上げていくタイプで、181cm82kgの強靭な肉体から繰り出される140km超の速球は重くキレがあり、調子に乗ったら手が付けられないタイプである。富岡監督2度目の甲子園。前回後一歩のところで逃したベスト8以上は十分狙える位置にある。