スペイン旅行記-8
3月29日(金)終日自由行動。のち、フラメンコを見に行く。 朝食は適当に食べて、ぶらぶらと外に出ていく。 目的を整理する。(1)カテドラル。(2)ローマの城壁。(3)蝦の彫刻。(4)コロンブスの搭。(5)ボデロの猫 もちろん、これまであう事が出来なかった猫にもぜひ会いたい。美味しいパンの店も探したい。 南に向かう。少しづつ確かめながら歩く。ラーメン屋がある。マンホールの写真を撮ったりしてゆっくり進む。パン屋でパンを買う。少し行くと本屋。村上春樹の『騎士団長殺し』があると書いてあるので入ったらなし。ぶらっと見ていると、猫の本(挿絵多数)が目にとまる。9,9ユーロ。スペイン語の辞典を買う必要が生じた。おじさんに、「donde esta el bano?」と紙に書いたメモをみせながら聞く。気の毒そうに、「ここにはない、マーケットかバールにはある」と教えてくれる。 ※実は、出発の1か月前に、まさしくドロ縄で「旅するスペイン語」を見た。メモを取って持ってきたのだが、ピンチになった時に必須だった。 公園で休憩。壺から水を飲んでいる少年の像あり。今10時。そろそろ歩こう。 カテドラル。無料!ここもアーチ構造が美しい。正面にギリシア正教のイコンの写真が飾ってある。自由な感じがする。トイレに行きたくなって、再び前の質問を繰り返すと、「右へ行け」みたいなしぐさ。しかし、トイレはない。再び別の人に訊ねると、外へ出ろと言う仕草。外へ出たら確かにトイレはあった。有料。女の人が一人いてさばいている。一人出てくると、指図。入ろうとする人はドアのところにある投入口にコイン(0,5ユーロ)を入れて入っていく。 それにしても猫がいない。 昼食。カフェテリア形式のお店。椅子に座ってメニューをもらう。蝦の焼いたのを注文、あとでコーヒー。蝦は大ぶりのものが14尾。うまい。頭だけ外して、あとは尻尾までバリバリと食べる。物乞いの女性がやってくる。目を合わせないでいると去って行った。近くのテーブルの女性と会話していた。コーヒー。Vienesと書いてあったんだから「ウィンナ珈琲」だった。蝦は19,9ユーロ。コーヒーは3,2ユーロ。とても満足。 小さな陶器の像を売っている店で、猫の像を見つけて買う。「gatosをさがしている」というと、「サンタアリア教会の近くにいる」とのこと。いない。 方針を変えて、犬の写真を撮る。犬を連れている人たちはほぼ100%撮らせてくれる。港に猫はいないかと行って見るがいない。漁港ではないから仕方なし。コロンブスの搭を遠くから見る。 郵便局の裏手でローマ城壁の後を見つけた。 ところどころ穴が開いている。どこかで見たような・・と記憶をたどると、「ブラタモリ」のローマ篇で確かこんなタイプの石を紹介していたことを思い出した。家に帰ったら確かめよう。 こうなったらあとはボテロのでかい猫を見るしかないので、ひたすら歩くが、道を間違えてしまい、迷ってしまう。諦めきれずにうろうろしていると、やっとのことで目の前にいた!後ろに回るとちゃんと玉がついている。 フラメンコショー。会場まで数人で歩いて行く。皆さん元気である。 ボーっとしていたら一人の席に案内される。よく見える。右手の方に女の子たちの集団がいて、うるさい。 始まる。 ショールを翻すような踊り、小刻みにステップを踏む、指先の微妙な動き。テレビでは数度見たが、生で見ると迫力が違う。 カスタネットを使った踊りは、私のよく知っているいわゆる「フラメンコ」。若手の次はベテラン。 伴奏の人たちの技術にも目を見張る。超高速で弾いているギター。さらにバイオリン。ジプシーバイオリンなのだろうか。 最後に超ベテランが登場。女の子たちの声援に応えて、難しい(と私には思える)ステップを踏み、会場からの拍手に応える。もう、汗だく。 ほんとに、いいもの見せてもらいましたと思う。いいしめくくりになった。 大道芸として、「生きるため」「稼ぐため」の踊りであることは明らかだ。見ているものの中に激情を呼び起こすものでなくてはならない。ステップの踏み方、腕の広げ方、交叉、この部分は切れがいい。しかし指の動き、身体のくねらせ方は限りなく柔らかく、見るものを挑発するような魅惑に満ちている。 歌は澄んだ美しさとは対極にある。絞り出すようにして歌われる。時に高く、時に低い。あれは、踊り手に語りかけ、励まし、挑発しているのか?「なんだ、そんな程度か!」と言っているようにも聞こえる。観客の掛け声、拍手、すべてが一つの芸術空間を作り出している。コール&レスポンス。 3月30日(土) モーニングコールは3時。朝食は昨夜添乗員さんが配ってくださった。サンドイッチとかサラダ、ジュースにミネラルウォーター。 フランクフルトに9時5分着。出発は1時35分。 空港内をぶらぶら。本屋でドイツ語版『腹ペコ青虫』を見つけて買う。ユヴァル・ノア・ハラリの本が平積み。注目されているのは日本だけではないようだ。 眠れないので、「ボヘミアン・ラプソディー」「オデッセイ」を見る。 関空着。8時40分。リムジンバスに乗って阪神西宮まで。娘が迎えに来てくれた。