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カテゴリ:投資信託
バリュー投資が最近話題になっていますが、私がバリュー投資を始めて知ったのは投資信託を通じてでした。企業価値に比べて割安な世界各国(除く日本)の株式に投資する「朝日Nvestグローバルバリュー株オープン」(2000年3月24日設定、純資産総額125億円)です。
2001年に一定金額を投資に回し始めた当初、自分の力だけによる株式投資では自信がなかったので、投資信託への投資も同時に始めた時からカブドットコム証券で小額ですが積立を続けているファンドです。このファンドを薦めるわけではありませんが、全ての投資期間で参考指数(MSCI All Country World Index Free Ex Japan)を上回り、設定来5年間の騰落率が+128%(参考指数▲17.9%)と、比較的優秀なファンドの方ではないかと思います。コストが高いのが難点ですが(苦笑)。 ↓週報(業種別・地域別構成比、他) http://www.alamco.co.jp/pdf/m_ave.pdf ↓月報(国別・通貨別構成比、他) http://www.alamco.co.jp/pdf/m_ave.pdf ↓四半期レポート(組入銘柄の紹介) http://www.alamco.co.jp/pdf/q_ave.pdf <期間別騰落率・税引前 (%)基準価格vs参考指数> 3ヵ月前比 +8.3 +6.2 1年前比 +9.8 +5.9 3年前比 +35.7 ▲4.4 設定来 +128.0 ▲17.9 私がこのファンドを好きなところは、リスクを避けるためにやたら分散投資をしたりベンチマークを上回ること「だけ」を目指すファンドが多い中で、(1)絶対リターン(プラス)を目指す、(2)厳選した少ない銘柄で効果的なリターン追及、というある意味非常に個性的な運用姿勢です。 運用を委託されているハリス・アソシエイツ社(本社シカゴ)の一貫した「バリューの哲学」も非常に参考になります: ●調査により本来の価値を見極めバリュー株を発掘 ●株主を重視しない経営者には投資しない ●情報は足で稼ぎ自らの頭で考える ●過度の分散投資により収益チャンスを薄めない ●良い銘柄を仕込み熟成を待つ 運用投資方針にも共感が持てました: ●真の企業価値に比べ株価が著しく割安な価格に放置されている銘柄を発掘 ●企業価値とは合理的な経営者がその事業全体を所有または買収するために支払う対価であり、フリーキャッシュフロー(純現金収支)を生み出す潜在能力によって決まると考える ●銘柄調査にあたってはフリーキャッシュフロー・利益成長の潜在能力・業界における競争力・経営陣による株式所有状況などを重視する ●ポートフォリオ構築では投資国や個別企業のスクリーニングで投資対象銘柄を5000銘柄前後とし、バリュエーション(PBR、PCFR、PERなど)で更にスクリーニング、定量的・定性的リサーチで買候補銘柄を80~100銘柄とし最終的に30~50銘柄に絞り込んで投資 ●買いターゲットは適正株価の70%以下、売りターゲットは適正株価の100%程度) 投資対象企業の経営者の資質の記述もある運用報告書も読み応えがあります。 このファンドは状況にもよりますが比較的多くの配当金を出すファンドとしても知られています。投資信託が配当金を出すことには税制上から非効率とする傾向がありますが、個人的には優れたファンドの配当金は「利食い」の一種と捉えています。 このファンドに限らず、私の場合、優れた運用会社の投資方針や企業を見る姿勢は、自分で株式投資を行う時にも参考になる点があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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