Dream of Dreams

　｢かわいい子には、旅させろ！｣

　　　　・・・その通りだな。


今まで、私は１号に手をかけ過ぎていた。
過保護にしたつもりはない。
が、結果的にそれに近い状態になっている事に気付いた。


例えば・・月２回の日特。
いつも通っている最寄の教室ではなく、往復３時間かかる教室へ～
電車、バス等を乗り継いでの通塾。
一人で行かせるのは、いささか不安だったので、毎回往復６時間の旅をしていた私。


しかし来月、入院となりそれも儘ならぬ事に・・・
必然的に一人で行かなければならなくなった１号。


今日、初めて一人で行かせてみた。
石でも入ってるの？というリュックに、お弁当２個入りの手提げカバン。
かなり重い。。


朝、バス停まで送って行き、過ぎ去るバスを見て目頭が熱くなった。
・・無事たどり着くんだろうか？
・・重い荷物、立ちっぱなしの電車の中・・あーー大変だろうな。

　その上、何度も乗り換えしなければならない。
　心配で。心配で。
　携帯が鳴るのを今か今かと待っていた。


。・。・メールが来た！。・。・

　　　｢ついた！｣

あー良かった！即、返事を返した。
　　　｢無事ついて良かった！えらかったな！よく頑張った！｣
と返信したら、既に電源を切っていた模様。。


・・・行けるんやん。
勝手に行けないだろう・・と決めつけて同行していた私。
いつの間にか、１号は成長していて、私の意識だけが取り残されていた。


夕方、先生から連絡があり、｢今日は、とてもイキイキされてましたよ。何かありましたか？｣と・・



”一人で行けた！”という自信。
こんな何でもない事だけど、１号にとっては偉業を成し遂げた。という
満足感。達成感。で溢れていたに違いない。


　今まで、私自らが１号の色んな自信の芽を摘んでしまっていたんだな。


　１２歳。
そろそろ自分で、何でも出来る年頃になってきている。
もう少し、遠くで見守ってやる事も必要なんだろう・・・。


　自立心。
親として子供に最も養わせてやらねばならぬ心。


　　入院を前に、少し気持ちが和らいだ今日の出来事だった。