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テーマ:今日の出来事(292869)
カテゴリ:喫茶「話倶話倶」
ひな祭り
今日はひな祭り。女の子のいるご家庭では、お雛様を飾ってお祝していることだろう。我が家でも姪っ子二人の息災を祈って、ちらし寿司や唐揚げなど子供の好きなものを作って卓を囲んだ。 ひな祭りは、五節句の一つである「上巳の節句」が起源と言われている。上巳とは3月初めの巳の日をいう。この日に、水辺に出て禊(みそぎ)祓(はらえ)を行い、宴会を催しお祝いをした。 これが、中国のけがれを祓い清める招魂の行事と結びつき「上巳の節句」となったようだ。 新潟のお土産・百歳雛 平安時代の日本ではこの上巳の節句に、野山で薬草を積み、体のけがれを祓って健康と厄除けを願った。この行事が、宮中の紙の人形での「ひいな遊び」と融合し、自分の災厄を引きうけさせた紙人形を川に流す「流し雛」へと発展していった。やがて、室町時代になると、宮中では紙の人形ではなく豪華なお雛様を飾って、盛大にお祝いするようになる。この行事が、宮中から武家社会へ、裕福な商家や名主へと広がり、庶民へと伝わってゆくひな祭りの原型となった。 この頃では、子供が何事もなく元気に成長していくというのは、大変なことだったようだ。高貴な生まれの女の子の健康祈願のお祝として行われていたものが、庶民の間にも定着していったらしい。赤ちゃんの健やかな成長を願う行事であり、お雛様は、赤ちゃんに振りかかろうとする災厄を引きうけてくれる災厄除けの守り神のような意味合いがあったのだろう。 「五節句」の制度は明治6年に廃止されたが、9月9日の重陽の節句以外は、民間行事として定着している。 人日(じんじつ)正月7日 お正月の七草 上巳(じょうし)3月3日 3月の上巳の桃・よもぎ 端午(たんご) 5月5日 5月の端午の菖蒲 七夕(しちせき)7月7日 7月の七夕の竹・瓜 重陽(ちょうよう)9月9日 9月の重陽の菊 それぞれに季節に応じた植物を食することで、邪気を払うのが目的だった。七草粥を食べたり、桃花酒や菊酒を飲んだ習慣が、今も残っている。 上巳がなぜ「桃の節句」になったのだろう。ちょうど旧暦の上巳の頃に美しく咲く桃の花には、邪気をはらう力があると尊ばれ、好んで飾られたと言う。中国では桃は子孫繁栄をもたらす霊木で、その実は不老長寿の仙薬とされる伝説がある。俗世を離れた理想郷は、桃の花が咲き乱れる「桃源郷」とした物語も。 また、桃の花びらを浮かべた桃花酒(とうかしゅ)を飲むと、どんな病でも治ると信じられていたそうで、雛壇の最上段、内裏びな二人の間の三方飾りはこの桃花酒だそうだ。 今でも、「桃の花」に代表されるように、女性の肌を美しくつややかに保つための化粧品やクリームには、桃が使われている。こんなところでも、桃には、女性とはきってもきれない縁があるようだ。 昔は旧暦の3月3日に行われていたひな祭り。桃の花が真っ盛りに咲く季節。河原や水辺で飲食をしていたという昔の上巳の節句は、まさに桃源郷のような趣きがあったことだろう。 桃といえば、3月20日から私の住むごく近所で「桃まつり」が開催される。二千本の桃の花が咲き乱れ、会場の公園はピンク一色となる。甘い香りが漂い、たくさんの人々がお弁当を広げたり酒宴を開いたりと、俄かに賑わいをみせる。最近ではハトバスがやってくるほどの盛況だ。お近くの方は、桜の少し前の桃のお花見なんて、たまにはいかが? ところで、ひな祭りが終っても雛飾りをしまわないと嫁に行けないとよく言われるが、どうなんだろう。行事のものをけじめなくいつまでも出しっぱなしにしているのはだらしない、そんなだらしのない娘はもらい手がないということか。災厄を背負わせて川に流したという雛人形を、当日以降も飾っておくのはよくないという話も聞いた。母は、せっかくきれいに並べたお雛様を短い間だけでまたしまってしまったら、お雛様がかわいそうだと言う。年に一度しか明るいところへ出られないんだから、もう少し旧暦の3月3日まで、見ていてあげようよと言う。ちなみに今年は、4月11日。我が家のお雛様は、桜の花も楽しめそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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