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カテゴリ:起業
最近、元気のない日本で、今日の2つのニュースも、残念なものだった。その2つとは、 1.エルピーダメモリー 会社更生法申請 2.原発事故調査委報告 ー 政府首脳の無用な介入が混乱を招く 1.のニュースは、以前から取りざたされていた日本の半導体メーカーの苦境をあらためて印象付けたものだし、2.のニュースは、政府の危機対応、ということで、これまた以前から言われていた日本の弱点に関するもの。 この2つに共通するもの、それはリーダーシップということかな、と思う。 実業界と政界と、分野は違えども、どちらも強いリーダーシップが、大きな流れを作る、という意味では共通しているし、逆にリーダーシップの欠如が、大きな困難を引き起こす、ということでも共通している。 ただ、エルピーダに関してのニュースの論調を見ると「遅すぎた対応」とか、つまりは苦境にはまってからの打つ手が遅すぎた、あるいは手詰まりになった、という論調が目立つが、果たしてそれが主原因だろうか、と考えざるを得ない。 その論調は、いつも、「韓国勢」つまり、サムソンやLGなどとの競合が語られるが、その一方でアメリカの半導体メーカーもまだまだ頑張っていることを忘れてはいないか? 一昔前だったら、日本メーカの台頭とアメリカのメーカーの衰退、という図式だったものが、いつからか、アメリカはインテルを初め、生き残りをかけた戦略を打ち出し得たのに対し、日本はいつまで経っても韓国勢などとの価格競争にはまり込み、そこから抜け出せないままに終わってしまった。 もう昔とは違って、賃金水準の違いなどは、なんの理由にもならない。日本企業の賃金水準がアメリカの半導体メーカーの賃金水準よりも割高だ、とは言えないからだ。 ではなぜ日本のメーカーが苦境にハマったのか?と考えると、そこには、上記の2つに共通して見える「リーダーシップ」の欠如というのが浮かび上がってくる。 いや、もっと言えば、日本企業の良さでもあり弱点でもある「全員経営」的な構造がもたらす、意思決定の遅さ。 誰も責任をとらずに、結論を先送りにする体質。 一方の、原発事故における菅首相らの行動は、率先して陣頭指揮に立つのはいいのだが、その介入の仕方が「リーダーシップ」的な介入ではなく、それこそ素人の余計なお世話的な介入だった点にあり、これはリーダーシップの欠如というよりは、リーダーシップの内容そのもののおそまつさだろうか。 今、世界の企業を相手に仕事をしているが、日本企業の決断の遅さは群を抜いている。 他の国の企業なら、一週間や二週間で結論が出るような案件でも、日本の企業だと一ヶ月や二ヶ月ならまだしも、数カ月経ってもまだ結論が出ない、ということもザラ。 同じような賃金体系で働いていても、同じ事をするのに10倍も20倍も時間がかかる、ということは、それぞれの仕事における単価がそれだけ高い、言い換えれば労働生産性が低い、ということでもあるし、そんなことをしていて、この動きの早い現代の先端技術産業で生き残れるわけがない。 そんな懸念をだいぶ以前から抱いていたのだが、それがこの2012年3月切り決算において、多くの企業が軒並み不調、低調にハマっていることを見るにつけ、ますます強くなっている今日この頃。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.28 06:20:57
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