今日の言葉 1882 カエサルの物はカエサルに
■カエサルの物はカエサルに意味:本来あるべきところに返せ。類語・関連語:Render unto Caesar the things which are Caesar's。解説:この言葉は新約聖書にイエスが語った言葉として出てくる。イエスの言葉は,マタイによる福音書22章15-22,マルコによる福音書の12章13-17,ルカによる福音書の20章20-26の3箇所にある。Today's English Versionでは「Well, then, pay to the Emperor what belong to the Emperor, and pay to God what belongs to God.」である。なんだかよく分からないエピソードである。分からない理由を考えてみた。この言葉が出て来るシチュエーションは,イエスが気に入らず陥れようとする一派がイエスの言葉尻を捕らえるために仕掛けた罠だった。「皇帝に税金を納めるのは律法に叶っているか,いないか」という悪意ある質問である。これに対するイエスの言葉なので,分かったような分からないようなとらえどころのない表現である必要があったからだろう。現代の日本で,福沢諭吉のものは福沢に,国庫のものは国庫に,と言っても,これまたやはりさっぱり要領を得ない(笑い)。カエサルGaius Julius CaesarはBC100年~44年に生きた古代ローマの将軍・政治家。イエスが存在した時期にカエサルは銀貨の肖像になっていた。出典 日向一雅監修 『「ことわざ」新辞典』 2010,高橋書店。 故事・ことわざ研究会編 『四字熟語辞典』 2005,ナツメ社。 SIIの電子辞書「SR-G8100」: 広辞苑第六版,新漢語林。ウィキペディア。