アブラモビッチの離婚
チェルシーのオーナーであるアブラモビッチ(40歳)が15年間連れ添った婦人と離婚した。原因は定かではないが、おそらくアブラモビッチの浮気が原因であり、ロシア人の元モデル(25)と何度か写真を撮られている。なおこの離婚で夫人はアブラモビッチの総資産の半分以上にあたる1兆3000億円程度の慰謝料と5人の子供の養育権、アブラモビッチが所有する複数の豪邸を譲り受けるほか、プライベートジェットやヨットも利用できるとのこと。この男には本当に驚かされる。30代だと思っていたら40歳だし、これが2回目の離婚だというし、子供は5人もいるという。それで浮気ですか?やっぱりお金ってそんなに素敵なものなんだなぁと変に感心しつつも、チェルシーへの影響を考えないといけない。一応声明によると、チェルシーを含む、アブラモビッチが関係しているビジネスへの影響はないらしい。例えば石油関係などであれば参画している会社のお金を使うのだろうし、投資においても一時的に懐が寒くなるだけで、これから見返りが帰ってくれば十分収入は増えるだろうから心配ないし、ぼくが心配する必要も無い。だが、チェルシーに関していえば少し状況は異なる。数年前まで借金まみれだったクラブを買い取ったのは、アブラモビッチのポケットマネーであり、ここまでの短期間でチャンピオンズリーグを狙える位置にまで持ってこれたのも、ポケットマネーによる選手獲得だった。クラブとして見た場合、チームが強くなったことで入場料収入の増加やグッズの売り上げアップ、世界的知名度のアップなどでテレビの放映権収入も増加している。他の多くのビッグクラブと同様の補強戦術を採り続ければ単年赤字になることはないだろうし、少し赤字が出たところでそれだけの有名選手を獲れば、グッズやその選手見たさのファンが増え、収入も増すだろう。だが、これまでと同様にアブラモビッチのポケットマネー目当てに大型補強を繰り返せば収入が支出に追いつくことはなく、クラブの存亡にもなりえない。昨年12月、つまり約3ヶ月前のインタビューでアブラモビッチは、チェルシーについてこのようにコメントしている。「下部組織に大きな投資を行った。 そこで選手たちを育てるのがわれわれの方針だ。 今後、数年間の移籍市場では出費を抑える。」さらにその数ヶ月前にはクラブのケニオンCEOも「今後5,6年で収支のバランスを釣り合わせたい」と話している。オーナー就任当初から補強への批判が相次いでいただけに、このニュースを見たときは「やっと分かったのか」と思ったものだ。実際にアブラモビッチの影響を少しずつ弱くしようと本当に考えていたのだろうが、別の部分では今回の離婚が昨年の段階で決定的になっており、その影響がチェルシーというクラブに及んだのではないかと思う。だが、それを気に入らないのがモウリーニョだ。モウリーニョも勝って当たり前のクラブをプレッシャーの中で当然のように勝たせ、あれだけ多くのタレントが揃っているのだからと批判も多い。だが有名選手がほとんどいない中でポルトをチャンピオンズリーグ優勝に導き、自クラブの選手の批判を体を張って守る姿勢は多くの監督が見習わなければならない部分だ。また若手の選手起用にもあまり躊躇はせず、逆に若手を重要視しているような面も時々ある。だがモウリーニョとて一生チェルシーにいるつもりはない。自身で大切なのは現在であり、全てのタイトルを勝ち取るための選手層が必要なのである。しかもクラブからはチャンピオンズリーグの絶対制覇が言い渡されてる。だが今シーズンのチェルシーは怪我人に泣かされ、それがディフェンス陣に、そして12月以降に集中した。当然モウリーニョはクラブに補強を訴えたが、上層部はこれを却下した。厳密にはターゲットを絞ったのだが移籍金を出し惜しみしたために破談になってしまったのだ。そうなると優勝を目指せと言いながらも必要な補強を行わないクラブに不信感を持つのは自然であり、また自分が希望していない、アブラモビッチお気に入りのシェフチェンコを加入させたことも未だ納得はしていない。それらが少しずつ積み重なっているのが現在言われているクラブの内紛や2人の確執に繋がっており、今回の離婚がそれらの拍車をかけないとも言い切れない。先立つものは、お金である。ほな、また。