この「20世紀少年」という原作の漫画、連載から当然知っていたし、コミックでときどきまとめ読みをしていたのである程度のことは知っているのだが、登場人物があまりにも多いのと、時系列が（意図的にだろうが）ずらして描いたりしているので、正直、この原作漫画のことを正確に把握しているとは思ってもいないし、エラそうに語る資格は自分にはない。

ただ、この漫画、作者である「漫画家浦沢直樹」が少年時代から影響を受けてきたと思えるものが次から次にとストレートに出ていることだけは間違いはなさそうだ。

「ともだち」の正体の入れ替わりの原典（元ネタ）は「犬神家の一族」か

あまり言われていないようだが、「ともだち」の入れ替わりのトリックというかネタの原点は、やはり横溝正史の「犬神家の一族」のスケキヨと青沼静馬だろう。サダキヨという名前もおそらくはスケキヨ（佐清＝佐田キヨシ）からとったものではないかと自分は睨んでいる。

浦沢直樹の漫画と横溝正史の小説というと、あまり深い結びつきを感じる人はいないかもしれないが、作中の「病院坂事件」であるとか、他にもそれっぽいものを感じさせるものは出て来ている。

厳密に言うと、横溝正史の小説というよりも、角川映画の方なのかもしれないが。
（つづく）