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カテゴリ:テレビ番組
クロスドミナンス症候という言葉を御存知だろうか。 たとえば生まれつき左利きの人間を強制的に右手使いにすると、大脳の機能資質が行動に影響を及ぼし右と左の区別がつかなくなることがあるのだ。 この「丁の回」の中で、自殺サークルの会場に向かう一行がニ叉路に差し掛かったときに当麻(戸田恵梨香)が「右へ」と書かれた紙を見つけて思わず左のほうに走り出したシーンで「ああ…これはこれからのストーリに向けての伏線なんだろうなぁ」とピンときた。 もしかすると「当麻は本当は左利き」であるとかそういう展開があるのだろう。 餃子屋で元彼の地居(城田優)を「左利き」呼ばわりしたりするのもそういうことなのかな、とか。 前回第三回に比べると、ドラマとしての面白さという点ではやや劣るかもしれない。 それと気になって仕方ないことがある。いわゆるコネタの類になるが、毎回のようにミショウ課の壁に裏番組の日本テレビで放送する映画のタイトルをもじった指名手配書が張ってあるのだけれど、前にも書いたことだけれど、これがどうにももう賞味期限切れの酸っぱい感じしか伝わってこないのだ。 もしかして、作っているほうも見る側に対して笑いを提供するとかそういう意識ではなくて、ただなんとなく惰性でやっているだけなのかもしれないが。 にしてもハリーポッターをもじって「針井歩太」とかさ、どんな層に向けてのアピールなんだろう。 自分なんて単にテレビ局(TBS)のお偉方に対してのゴマスリ営業なんじゃねーのとかそういう方向に考えがいってしまうのだが。 一緒に見ていた友人は「もし自分が日本テレビの人間だったら放送予定の映画を差し替えて『20世紀少年』三部作のダイジェストかなんかをオンエアしたくなりますよね」みたいなことを言っていた。 なるほどね。意趣返しとしてそれはアリかもしれない。 古戸久子(奥貫薫)の差し出した名刺。 裏側には顧問先として「五木谷コーポレーション」の名前が。 本当ならここで名刺を受け取った野々村課長(竜雷太)も何かを言うところでしょう。何も言わない野々村課長の態度こそかえってヘンでしょう。 んー、だからこれも伏線ということなのかな。しっかしわかりずらいなぁ、このドラマは。 仕込みのしすぎだって絶対。 あとこういうおふざけとか と、悪口的なことを先に書いてしまったが、実は自分はこの回の内容に深く感じ入ってしまったところがある。 当麻、瀬文のコンビと自殺被害者遺族の会の古戸(奥貫薫)の三人が遺族巡りをしているときに自殺者の母から「息子を返してください」と泣きつかれ、その後署に戻ってから当麻はしらみつぶし的に自殺サークルのサイトを次からつぎにハッキングして削除しまくる。 そんな当麻に対して瀬文(加瀬亮)は「自殺をするやつは誰が止めても死ぬ」とたしなめるが、当麻は「死はふいに人を誘うものかもしれないが決して人が誘うものではない」と抗弁し削除する手を止めない。自分がオカルト的なものに対して感じていることがこのセリフの中にあったのだ。[註] このあたりの流れというか、心の揺れというものを表情の変化だけで表現できる戸田恵梨香はただものではないと思う。 このドラマの主演をするにあたって「当麻沙綾」という役を自分のモノにしようという並々ならない意欲というものを感じる。 こういうところは評価したい。 次回以降も楽しみ。 [註] 自分がインチキオカルト的なものをテレビで扱ったり「自称オカルト研究家」みたいな人間がテレビでもっともらしくデタラメを吐いていることに対する憎悪感がまさにこれだからだ。 少なくともテレビというメディアは存在しないオカルトをでっちあげたり人の心を不安に陥れたりするものではないだろう。 実際、2年ほど前の「インチキ予言者ジュセリーノ騒動」の前後ということだが「(自分を騙した)テレビや出版社を絶対に許さない」というような内容の被害者からのメールを大量に受け取っているのだ。 こういった憎悪というものの集積が今後どういう具合に転がってゆくのかは正直自分にもよくわからない。不安に感じるところもある。まさに二重の意味での「憂鬱」である。 もちろんそれを煽ることはしたくはないし、自分はそれを阻止したいとは思っている。思ってはいるが自分にはそれを止める有効な手立てというものがまったくない。 そのことに対する無力感のようなものを感じる今日このごろなのである。 追加 美鈴(福田沙紀)が地居の落としたキーホルダーに触れたときに見た映像の一部 あらなつかしや目蒲線不動前駅踏み切りの光景…と思いきやこれは東急の大井町線であった。 15年ほど前になるが、仕事のため目蒲線不動駅付近に安いアパートを借りていたので不動前駅が最寄り駅だったころがあった。そのころの風景そっくりなのだ。 考えてみるともうとっくに高架化されているので不動前駅のはずがないのだが。 勤務地の店(午前二時閉店とか)が五反田だったり目黒本町だったりしたので中間地点のここらあたりに夜寝泊りできる場所があるととても便利だったので、二畳プラス四畳、共同トイレ・風呂なしの築40年の木造アパートを約2年ほど借りていたのだ。家賃は確か月2.5万円だったか。それでも交通費(タクシーとか使うことになるので)のことを考えると電気代を入れても割安で済むのだ。冬は寒かったけどね。隣にワケありの住人が越してきていろいろと話し込んだりしてそういう思いでもある。 というか目蒲線じゃなくて今は目黒線ですな。 キャスト情報 ウィキペディアに記載のない方々 湯山大一郎(植松育児) 河野朝哉(自殺志願者) 久保貫太郎(自殺志願者) 伊藤幸純(植松の父親) 神保共子(自殺者の母) 興津聖(自殺サークル幹事) 芝井美香(警察病院のナース)※所属事務所のHPに記載あり SPEC -- 休の回 関連記事 SPEC 03 丙の回(ネタバレ注意) SPEC 02 乙の回 SPEC 01 甲の回 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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