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テーマ:大河ドラマ『平清盛』(470)
カテゴリ:テレビ番組
四回目にしてやっとドラマらしいドラマになってきた感じがする。
役者ではやはり忠盛役の中井貴一がよかった。源為朝役の小日向文世の演技も超絶だったが、この為朝を演じる小日向文世が、源氏の宮中での足がかりを断たれた無念さゆえに凶行に走る表情を見ていると、どうしても10ヶ月前去年の3月11日からの一週間の出来事と被ってしまい忘れかけていたつらい気持ちが蘇る。あのときこの仙台の街、避難所や被害の大きかった場所には、こんな小日向為朝みたいな情けない顔でその場で泣き崩れる大の大人の男があふれかえっていた。みな真っ黒な汚れた顔をして、中には人目も憚らずに大声で泣き喚く人もいたのだ。 自分はそんな人たちをただ遠くから見て通り過ぎるしかなかった。とにかく自分がすべきことをしなければ何も進まない。たとえその人にかまったところで、ここ以外の全ての場所にはこのような人たちは何百人も何千人もいるのだ。その事実を認めるしかないのは辛い体験だった。 今でも、あのときのことを、夜毎あるいは就寝前に思い出すことがある。 次々に目に飛び込んでくる、どこか現実離れした光景の連続だった。向こうからやってくる人々の行列と、大声で呼びかける若い自衛隊員の励ましの声などだ。 誰かが言っていたがあのときあの場所はやはり「戦場」だったのだと思う。 源平時代の出来事と現代の「非日常」をシンクロさせて語るというのもだいぶ無理があるだろうが、小日向為朝の顔があまりに強烈だったのでついこんなことも書いてみた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年02月04日 11時51分22秒
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