構造設計一級建築士制度にみるJSCAの地位低下
昨年12月に交付された新建築士法で、構造設計一級建築士と設備設計一級建築士という資格制度が新たに創設される事になったのです。 さて、この受講手数料に驚いたのです。 構造設計一級建築士資格取得講習費用は↓となっています。 一般受講者:52,500円 > 建築構造士・構造専攻建築士・APECエンジニア:42,000円←民間資格 >>>> 構造計算適合性判定資格者:15,750円←国の資格 民間の資格は持っていようがなかろうが一般受講者に次ぐレベルに料金設定を据えています。 ところでこのうちの建築構造士とは社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA)の行う資格制度なのですが大変に難しい資格で、1年に100人受かるかどうかというものなのです。1日かけて実技試験を行い、1日かけて面接を行いとかなり時間をかけて審査もされます。これに合格し建築構造士名簿に名前が載るのは大変に名誉な事なのです。技術的にもレベルが高い。 しかしこれがこんな風にあからさまに示されるようになるとは。とうとう2008年度「JSCA建築構造士認定試験」中止と相成るとは。 ただ、先の耐震偽装事件は情報の非対称から政争の具となり、結果、ずさんな建築士と民間に丸投げした国の責任に落ち着いたのですから、これは当然の帰結なのだろうと思います。構造計算ソフトがNTTデータに落ち着いたのも、おそらく消費者や国会に説明しやすい認知度の高さもあったのかもしれません。