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March 19, 2005
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カテゴリ:映画
横浜で見ました。

"幻の秘法"を巡る冒険物語です。

ニコラス・ケイジ扮する歴史学者(ベン・ゲイツ)が
家に先祖代々伝わってきた手がかりをもとに探索をするのですが
進めども進めども次へのヒントばかりで
肝心の秘宝にたどりつくことができません。

ベンの父親は言います。
「宝は、どこにもないんだ。
イギリスを翻弄させるために、アメリカ建国の父たちが作り上げた架空の話なのさ」
彼は、ベンのように宝を追い求め、自分の人生の多くを費やしてきた男です。
息子には自分と同じような虚しさを味わってほしくないのです。


ここにもない、ここにもない。宝は本当にあるのだろうか、父の言うようにでっちあげの話なのだろうか…

その過程を見ていて、これは人の一生にも通じる話だと感じました。
人は自分の中にある宝を求めて彷徨います。
それはそう簡単に見つかるものではありません。
途中で諦める人も大勢いるし、見つけることができないまま人生を終えることになる運命の人もいるでしょう。
ここにあるはずだ、と勇んでドアをあけて入ってみても、そっけない手がかりがころがっているだけという事態が連続するとき、どうするか。
手がかりを読み解くにも、知識や感性が必要です。膨大な勉強量も要求されるのです。

ナショナル・トレジャーは、この映画ではアメリカ建国の父たちが隠した宝を指しますが、同時に「独立宣言」原書も尊い宝のひとつとして描かれています。
アメリカの素となる象徴ですから、それはそうなのでしょう。
しかし、それよりも価値のあるものが、私たちの中には埋まっている可能性があります。
独立宣言書はいわば遺物です。アメリカ建国の父たちがいたら、「それを大切にしてくれるのはいいけど、自分たちの心をみつめて、新しいものを生み出していってほしい。我々からすれば、そういった活動の方がよほど尊いのだ」と言うのではないでしょうか。


自分の中にある宝、でもそれは一生かかって見つかるかどうかわからない、そういうものを本気のエネルギーで追い求めている人も冒険家です。
国宝に匹敵する、むしろそれ以上のものが自分の内には潜んでいる、それを探し出すために生きている、人生にはそういうロマンもあっていいと思いました。






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Last updated  March 21, 2005 06:16:12 AM
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