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カテゴリ:科学・宇宙...林檎落しますか?
ここ三日ばかり私の悪筆ネタで引き伸ばしてきたので、今日はこんなネタで... レッサーパンダ 二本足で立つのは不思議じゃない!! ほほう、こんな奴が話題になっているんですね。 ニュースによると、これに触発されたか、日本中の動物園のレッサーパンダが直立歩行してるそうなw。 しかし、それほど動物の直立歩行が珍しいんでしょうか? 実は私、ガンダムを始めとする『ロボットアニメ』好きでして(← ※注:『アニメオタク』に非ず!)、そこから派生して、生物全般の歩行にも興味があります。 ガンダムは? ヴァルキリーは? エヴァは? 果たして彼らは本当に立ち上がること(その必然)が出来るのか?! ってことで、以前買った本、結構面白かったんです。 「ふしぎの博物誌」(中央公論新社刊)。 動物の糞食の話や蝶の悪食の話も面白かったんですけど、一番興味をそそられたのは昆虫の六本足の話。 「何故、昆虫は6足歩行なのか?」ってことなんですけど、これが意外に数学的な理由なのw。 昆虫はムカデみたいな多足類から進化しました。 脇腹の気門(空気の出し入れ口)が開きっぱなしのムカデ君は、体内の水分が抜けやすいのでジメジメした場所(石の下とか、地中の空洞)から離れられません。 そういう限られた狭い場所では、うねうねと体が動き、足の数が多い方が動き易いのです。 しかし、それが進化して気門の開閉ができるようになり、ひらけて比較的乾燥した場所に出るようになると、多い足はかえって邪魔になってきます。 それに回されるエネルギーも無駄ですしね。 そこで昆虫に近づくにつれて足の数が減ってきました。 で、何本まで減らそうかなってときに、数学、幾何の登場となります。 三次元空間において1点を特定しても、そこを通る面は360°無数にあります。 2点でも、それを通る直線は決定できても、面は決定できません。 3点を特定して初めて面が決定できるのですね。 逆に言えば、一つの面に物体を固定するのには、3点を特定してやればよいということになります。 早い話がカメラの三脚。 これは手を離しても倒れません。 3本の脚があると、よほど凹凸や傾斜の激しい場所でもない限り、安定するということなのですね。 昆虫は、その安定した三脚2セット(前から右左右と左右左)を交互に振り出すことで、安定した滑らかな素早い歩行を可能としているのですね。 つまり、昆虫は「多数の足×左右2セット」を「3本の足×左右2セット」まで減らしたってことなのです。不必要な分を退化させたわけです。 実に単純な理由だったのですね。 せっかく持っているものを退化させるってのはもったいないようですが、部分的な退化で無駄を省く、つまり省エネ構造に変化するってのも立派な進化なのですね。 じゃあ、今度は「哺乳類や爬虫類などの陸棲系の脊椎動物は何故4本足なのか?」って疑問が湧いてきますね(ヒトだって前肢を『手』として利用しているだけで、生物的には4足。鳥の『翼』もね)。 これは、昆虫の「減数」とは逆の、0本足からの「増数」に理由があります。 陸棲脊椎動物は魚類を経て進化しました。魚の生活圏が海から陸に近づくにつれて、地面を這うための器官が必要になり、スタビライザーの働きをしていたヒレが足に変化したということなのです。 では何故、昆虫のように6本の足を持たなかったのでしょうか? 生物の器官は基本的に身体の中心線に沿って左右対称の対で、つまり偶数で発生します。 胸びれと腹びれがそれぞれ対で前後の4本足になった時点で、身体を支え、歩行するに足る最低数3点(足)は達成しているので、それ以上増やすことがなかったということらしいのです。 つまり、哺乳類や爬虫類、鳥類などは「0本の足」を「2本の足×前後2セット」まで増やしたってことなんですね。 幾何学的には「3+予備(補助)1」本というところでしょうか。 カマキリなんかは最前列の一対を鎌として利用していますから、4足歩行しているわけで、昆虫全般が4足まで減らす可能性もあったということです。 が結局は、より安定した6足を選んだのです。 魚の尾びれは2枚が1枚に重なったものだそうですから、この尾びれも2つに分れて足になっていれば、脊椎動物も6足になっていた可能性もあるらしいのですけれど、おそらくは6足まで増やしてまでエネルギーのロスを生むことを避けたのでしょうね。 もし哺乳類が6足になっていたら、前肢2本を「手」に変化させたヒトは、4足の脚に2本の腕を持つケンタウロスのような形態になっていたか(脊椎の形状からしてありえないか?)、2足歩行で腕が4本になっていたかも!? 結局、昆虫にも脊椎動物にも、あえてそこまで減らす、あるいは増やす必然がなかったのですね。 つまり、4足と6足は動物が陸上で活動する上において非常に微妙なライン上にある、言い換えれば最も効率のいい足数であることになります。 さて、ここでヒトについてなのですが、ヒトが直立せざる得なかった原因は、脳の大型化による重量増にあると言われています。 横棒の端に重いものを付けると棒はしなって、かかる負荷は大きいのですが、棒を縦にしてその上に置くと安定します。 この棒が脊椎、背骨です。おかげでさらに巨大な脳を手に入れることができたのです。 ヒトの場合は脳の重量が災いして4足歩行に向かなくなり、直立して2足歩行になり、同時に空いた前肢を「手」として活用し始めたってことなのでしょう(このタイミングのよさが出来すぎw! やはり誰かの計画の上の進化でしょうか?)。 おかげで安定度が格段に減った分を、より高度な重心移動機能で補わなくてはならなくなったのですね。 オマケにヒト特有の病気「肩こり」も発生しましたw。 つまり、ヒトの直立2足歩行は、運動性よりも知性を優先した結果だということなのですね。 人型、つまり2足歩行というのは運動効率の進化で生まれたものではなく、むしろ運動性を捨てた結果だということになります。 2足で歩くというのは、一方の足を地から離し、接地しているもう一方の足を後方に蹴り、バランスを崩して進行方向に倒れかけたところを、最初の足で支える、ということを交互に繰り返して行ないます。 昆虫とは正反対に、バランスを崩すことによって歩いているのです。2足歩行って、かなり危うい運動なのですね。4足歩行と比べても遥かにこけ易いし。 また、進行方向に対しての面積が広くなることにより空気抵抗を増大させ、バランスの問題とあいまって高速移動(つまり『走る』ことです)に向いているとはいえません。 さらに捕食者や敵と正対して正面面積が広いのは、敵に発見されやすく、また敵からの攻撃有効範囲が広いことになり、これまた致命的です。 つまり、「二足歩行は運動にも戦闘にもまったく適さない」という結論になるのです。 というわけで、件のレッサーパンダ、野生に生きる動物としては致命的ですね。 ということは、アレはヒトに慣らされ、ヒトに愛嬌を振りまくことによって人気者になり、エサをより楽に手に入れようとする、新たな文化なのかもしれません。 ヒトに限らず、動物の文化はすぐに伝播することがあるそうです。 芋を海水で洗って食べるサルの文化は、瞬く間に日本中のサルに伝播したそうです。 他の動物園のレッサーパンダも一斉に直立したのも、文化の伝播なのかもしれません。 あれ、待てよ... ならば、私の悪筆も文化として成立させれば、瞬く間に広がったりして... そうなればもう、悪筆で恥をかくこともなくなる! よそ様の綺麗な字を見習おうという気はないのね? (_ _;) ってか、また悪筆ネタに戻ってるし...(_ _;) ってか、いい歳こいたオッサンが、真剣にロボット兵器の二足歩行なんか考えるなよ! (_ _;) ってか、今日の日記、長ぇ...(;´Д`) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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