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2005/06/15
カテゴリ：科学・宇宙．．．林檎落しますか？
大々々々昔、地球には「酸素」がなかったそうな。様々な気体の中で最も大量にあるのは「二酸化炭素」。 地球誕生間もないカオスの時代。 そこの原始の海の中で生まれた生物らしき奴らは、細々とやっていました。
まっこと、吉本新喜劇のオープニング的、裕福ではないものの、のどかで庶民的、平和な時代だったのでしょう。 そんな中で、ある奴が画期的な儲け方、つまりエネルギー摂取技術を確立しました。 大気中にわんさとあった二酸化炭素と無限に降り注ぐ太陽エネルギーの有効活用、「光合成」です。 「そんなええ儲け話あるんやったら、わしも一口乗せとくんなはれ」とばかりに我も我もと、皆が真似を始めます。 それがいつの間にやら、海全面を覆うほどに殖えるわ、殖えるわ。 「光合成」は一大産業として成立してしまったわけです。 産業革命によるバブル景気時代の到来ですね。 誰もが、我が世の春を信じて疑わなかったことでしょう。 が、現実は「諸行無常」だったのです。 じ～んせい、らくありゃ、く～もあるさぁ～ 人間、楽して儲けちゃいけない（『人間』じゃないですけどｗ）。 悪銭身に付かず。楽した分、大きな代償が待っていました。 ある物質による大規模な環境破壊が起こったのです。何が環境を破壊したのか？ そう「酸素」です。 「光合成」という効率的かつ他力本願なエネルギー調達法は、今まで地球上に存在しなかった物質、「酸素」を産業廃棄物として大量に生み出したのです。 今現在、地球上に存在する生物にとっても100%の純粋酸素は猛毒です。 吸い込むと酩酊しますし、ヘタすりゃ窒息！ 物質を酸化（錆びることや、物質の燃焼を促すこと）させる危険物質です。 それが、空に海にと拡がりだしたのです。 最初はたぶんみんな、「なぁ～んか最近、身体の調子おかしいなぁ」とは思ったでしょう。 やたらと病気の奴が目に付くし、中には死んじゃった奴もいます。 「過労死って怖いなぁ～」っと大ボケかます奴もいれば、「もしかして光合成のせい？」と薄々気づいていた奴もいたでしょう。 でも何故かみな「やめる」という発想だけはなかったのです、エネルギー獲得の代償に酸素を作り出すことを．．． 酸素は蔓延してゆきました。ゆっくりと、しかし確実に．．． で、遂にバブル崩壊。 景気よくやっていた連中も、そうでない者も、一人残らずバタバタと猛毒「酸素」の前に倒れていったのです。 もちろん、その光合成をやらかした張本人たちですらも．．．まるで、自らが作り出した泡のような景気が生み出した不良債権によって自らの首を絞めている銀行のように。 彼らもいずれは．．．合掌。 が、です。銀行というのはしぶとい、じゃない、もとい、生命というのは力強い！ なんと、この猛毒「酸素」を利用して新陳代謝する奴らが出てきました。 我々人類の、というか、今いる生き物ほとんど全ての、遠～い遠～い遠～い遠～いご先祖様たちです。 なんと、先代たちを死に至らしめ、地球上から除去不可能となった超有害物質「酸素」を、次世代の彼らは生存するための必要不可欠な物質としたのです。 しかし、肝心の「酸素」を発生させていた先人たちはもういません。 「酸素」は消費されるばかり．．． あぁ、新世代たちの危機！ と思いきや、生物は一度手に入れた技術は手放さないものらしいです。 一旦なりを潜めても、その技術は遺伝子のどこかに記録されているのでしょう。 酸素中でも死なずに「光合成」できる奴らが現われ、先代に代わり、どんどん酸素を作り出します。 今の植物のご先祖様たちですね。 この酸素利用方法、相当に効率が良かったらしいです。 あるものは寄り集まって大きくなることで身を守り、あるものは、違う性質を持つものと融合することによって新しい形質を持ち（細胞内にある『ミトコンドリア』や、『腸』なんかも元は他の生物らしい）、適合した奴は生き残り、適合出来なかった奴は滅び、の繰り返し。 海は様々な生物で溢れ返りました。 金融ビッグ・バン．．．じゃない、カンブリア生物ビッグ・バン．．．合併とコラボレーション、新生の時代の到来です。 やがて、大気中に溢れた酸素（O2）の一部は紫外線の直射を浴び、オゾン（O3）となって大気を覆う薄い膜となり、それが紫外線の透過を弱めて．．．もはや、海の外には生物を脅かすほどの紫外線もなくなりました。 企業が「国内でそこそこ成功したので、お次は海外進出」となるように、海の中で成功した種族の中には、新天地「陸」に上がることを夢見始める奴が。 経済も生物もなんか似たようなことをやってるなぁ．．． ってわけで、生物が陸地にまで広がった挙句、環境という点とっては最悪の種『人間』を生み出したように、海外に進出した挙句、自分の首を絞める企業が続出しないことを祈るばかり．．． お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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