パラノイア
今日は誰でも有る(?)パラノイアの話。人のパラノイアはまちまちで暗所・高所恐怖症、害虫、小動物などがある。Alinko の場合は 癌。そう、癌が怖いんだな。 Alinko は毎年やる健康診断でお医者さんに太鼓判を押されるぐらい健康。しかし、父母両方の祖父・祖母があらゆる病気で亡くなっているAlinko。 そのうちで一番印象が強かったのがお父さん方のおばあちゃんが癌で亡くなったとき。 化学療法で頭の毛がばっさり抜け、食ものどを通らないし 意識も朦朧として苦しんでいたおばあちゃん。結局数ヶ月の治療の末自分の病気が癌だとも知らされず逝ってしまった。 お葬式で死に化粧をしても、くっきりと浮かぶ苦悩・苦痛の色。 まだ中学生のAlinkoは悲しい限りだった。高校・大学を卒業して職に就いたAlinko は運命のいたずらか、大学病院の癌病棟・骨髄移植病棟に任命された。栄養士の仕事としてはやりがいのある専門病棟。 化学治療・放射線療法で食べられない患者さんを回復できるよう 栄養補給管(Tube Feeding)や 経せい脈・中心性脈内高カロリー輸液栄養法(PPN, TPN)で助けてあげたり、何とか食べられる物を探してあげたりしたりした。だけど、癌患者さんの苦しみ・苦痛も痛感。数々の患者さんの中で鮮烈に印象に残っているのは食道がんで食道・胃の90%を手術でなくした 中国系のDavid君。 同い年だった。 手術が終わっても毎月化学治療・放射線療法をうけに病院に来た。 スープとか汁物しか食べれなくって いつもAlinko に文句を言っていたDavid君。 『飲茶が食べた~い。』『おかゆ 飽きた』『ちょこっとでいいから、食べ応えのいいものほしい...ステーキとか...』毎回おんなじことを言ってくるDavid 君。 この要求にAlinko も毎回苦笑しながら答えた。『そんなの食べたら胃に詰まっちゃて大変だよ、David 君。 そんなにほしいならピューレしてあるステーキとかどう?』と、Alinko はいろいろ工夫。お母さんにつれそられて3-4日間治療をがんばって受ける姿は悲しくも、『生きる』ということをAlinko におしえてくた。David 君は結局放射線療法で傷ついたリンパ腺から乳びが肺にもれて乳び気胸 (肺炎)でなくなった。 最後までがんばったDavid 君ホスピスに行く途中の救急車で家族に囲まれてなくなったらしい。 同い年なのに...そのほかに 皮膚がんで下あご、方耳、鼻半分をなくした白人のG。 彼は体中に癌が転移して生きる願望を失ってしまった。お母さん、妻、娘 3人とも白血病でなくした A氏。 患者さんは奥さんだったんだけど 奥さんがなくなったとき A氏は そばの椅子に崩れ落ちた。 家族全員を癌で失ったA氏。 見ているAlinko だけじゃなくって周りのみんなが号泣した。 と、言うわけでAlinko は癌が怖い。 癌は無差別に人を襲う。 アクネ治療で皮膚科にいくと必ずホクロチェックされるAlinko。 もう3個もホクロをバイオプシーされた。 いつも皮膚科の先生に『このホクロ危ないよ』とか何とか言われる。太陽サンサンと降り注ぐハワイとフロリダにこの10年間住んでいるAlinko. パラダイス!という片隅でパラノイアでおののいております。職業病だというのは頭ではわかっているに、こんな私はやっぱり変ですね...ちなみに今は小児HIV患者と働いているので癌のパラノイアはそのうち薄れるのでしょうか?