第6回クウェートイスラム芸術フォーラム その6(タリク・ラジャブ イスラム書道博物館は素晴らしい)
一日は特に何もなく明けました。ホテルにも新年を祝うという雰囲気はほとんどなく、ただ朝食のビュッフェに子供たちに風船が配られただけです。それから部屋を掃除してくれる女性がハッピーニューイヤーと言ってくれただけです。今日午前中博物館ツアーに参加しました。どこの博物館に行くのか事前に知らされていなかったので、多分クウェート国立博物館と思っていると、住宅街にある一軒家のTariq Rajab Museum of Islamic Calligraphy というところでバスは止まりました。地球の歩き方にはTariq Rajab Museumが載っていたのですが、その別館のようで、まだ新しい博物館にでした。オーナーの息子らしい男が直々に中を案内してくれました。ところが、ここは予想外に凄い!!!!!!アラビア書道の宝庫でした。地階から2階まで小部屋ごとに古今東西のアラビア書道がぎっしり展示されています。アラビア書道業界ではよく名前の聞く、Ibn Bawwab, Hamid Amidi, Sami Effendi, Hashim Baghdadiなどのオリジナルやコピー(他の書家が真似て書いたもの)が展示されています。コーラン写本も8世紀ごろのものから現代に至るまでいろいろあります。オスマントルコ時代のスルタンの勅書、木簡のようなものに書かれたインドネシアのコーラン、キスワ(メッカ神殿に掛けられた刺繍された布)、金貨、ペルシアの壺、マムルーク朝時代の木製の門の一部?などアラビア文字が書かれたものがこれでもか、これでもかと展示されています。(非常に小さいガラス玉に書かれたもの)(着物に書かれた99のアッラーの属性)(ハーミディー氏直筆の作品)(パキスタンの木彫り)(木簡に書かれたでかいコーラン)これだけアラビア書道の作品の内容が揃っているのは、イスタンブールのサバンジュ博物館に匹敵するかも知れません。いや、バリエーションの豊富さではこちらの方が上かも知れません。ただ、残念なことに説明がちゃんと書かれている作品が少ない上、ある程度はジャンル分けされているものの、ちゃんと整理されていないものも多いです。同行した書道家たちも作品の素晴らしさに感嘆の舌打ち(?)をしています。2時間かけて案内してくれましたが、それでも時間が足りないほどでした。余りにたくさんの素晴らしい作品にかなり疲れ、少し書道酔い(こんな言葉があるかどうか分かりませんが)を感じるほどでした。本当はNGでしょうが、今日はオーナーがいるので、写真取り放題でした。大撮影大会です。書道家さんたちも写真が好きなようです。ミュージアムショップはあるにはありましたが、絵葉書が数種類あるだけで、ほとんど機能していません。図録集もありませんでした。しっかり整理し、作品ごとに解説を入れれば世界有数の書道博物館になるかも知れません。