イヌが吠えても
前日に引き続き、「捕らぬ狸は皮算用?(白帝社)」のイヌの項目にあったことわざ。اَلْكِلَابُ تَنْبَحُ وَالْقَافِلَةُ تَسِيرُ (アル・キラーブ タンバフ ワ (ア)ル・カーフィラトゥ タスィール)文字通りの意味は、「イヌは吠えるが、隊商は進む」。英語ではThe dogs bark, but the caravan goes onとなっています。結構有名なことわざで、もとはアラブとかトルコとかいわれており、はっきりしませんが、中東オリジンは確かのようです。いろいろな解釈の仕方があって、Wiktionaryの英語版では、〇歴史(または進歩)は前進する、たとえどんなに批評があっても。〇人生は進む。誰かが止めようとしても〇棒や石が私の骨を折っても、言葉は私を決して傷つけない良い意味にも悪い意味にも使われ、外野がいろいろゴチャゴチャ言っても、粛々と物事は進む的な感じでしょうか。昔、アラブでは香料などを積んだラクダの隊商が砂漠を何日もかけて横切っていました。たくさんのイヌがワンワンと騒いでも気を止めずにひたすら進んでゆく様子が見えます。シンプルな文章で書道のお手本でも何度か書いたことがあります。イヌの単数形はكَلْبٌ(カルブ)ですが、複数形はكِلَابٌ(キラーブ)です。これに合わせ動詞は3人称女性未完了形を使っています。新型コロナウィルスが流行って世間が騒がしくても、淡々と日々の生活を過ごすということでしょうか。今日はナスヒー書体で。