サウジアラビアYIS友好教室での感謝状贈呈式(続き)
京浜急行弘明寺駅からタクシーで10分ほどのところにある横浜国際高校は、春休みに入っていることもあり、生徒の姿もほとんどなく、学校も改装中でした。サウジアラビアYIS友好教室に入ると作品はしっかりと額装の上、UVフィルムを額縁と教室の窓ガラスにも貼って万全の体勢で展示されていました。教室内のイスと机は昔と余り変わらないものの、最新式のプロジェクターと液晶テレビが設置され、他の教室に比べても別格の部屋となっていました。贈呈式には、サウジ・ペトロリウム社の日本支社から二人、アラブイスラーム学院から一人、同校の卒業生代表(実はアラビア書道の生徒さん)、更に、奨学金を受ける生徒3人、その母親、高校関係者だけで、こじんまりと行われました。もし地震がなければ、サウジ・ペトロリウム本社から社長、そして在日サウジアラビア大使、松沢神奈川県知事など錚々たるメンバーが揃うはずだったのですが。今年奨学金を受けたのは3人でいずれも女性でした。見た目はどこにでもいる今時の高校生で制服のスカートを短めにしていましたが、うち二人は立派にアラビア語で感謝の辞をスピーチしました。いずれの方もアラビア語を活かしたいと考えておらるようで、中には英国に留学して紛争解決学を勉強するつもりという声もあり、非常に頼もしいとも思いました。この奨学金は使い道に制限がありません。生徒に任されています。例え、今回、アラブに直接関係ないことに使われたとしても何らかの貢献の形で戻ってくるという考えでしょう。贈呈式の最後は本田先生のお話でした。大学でアラビア語を専攻した卒業生の中で現在でもアラビア語を使っているのは自分だけであるという話から始まり、今回寄贈した作品についても触れたりしながら、なかなかユーモアあふれるスピーチでした。また、サウジ・ペトロリアム社代表者の方からのスピーチで、同社が日本で大小様々なプロジェクトに支援を行っていることが分かりました。○今回の日本の地震に対し、同社社長はポンと2,000万ドル(約16億円)寄付することを表明している。○既に2年前から日本での災害に備えて岩谷産業に携帯コンロとガスボンベを準備するプロジェクトを立ており、今回の災害に対し、コンロ10,000個、ガスボンベ60,000個が被災地に提供された。○沖縄に原油基地を作るプロジェクトに参画するとともにサンゴ礁保護のためにNGOへの支援日本のマスコミはこういうことはほとんど報道しません。更に日本でのサウジアラビアの紹介にも力を入れており、出版物や芸術にもかなりの金額を毎年提供しています。地震の後、いろいろが行事が中止されるなか、この贈呈式もちゃんと開催されるか少し危ぶまれたのですが、無事行われ、質素ながらも、厳かで、心温まる良い贈呈式でした。。ここ数日は暗い話ばかり見聞きしているなか、久しぶりに少し良い話を聞けた催しでもありました。横浜国際高校YIS友好教室での本田先生のスピーチの様子