「天を支える者 古戀唄2」前田珠子
「天を支える者」シリーズの外伝だと思っていたのですが、本編が2巻しか出ていないのに、外伝も2巻?。まあ、同じ世界の話です。「古戀唄1」では、この話の前にその原型ともなった短編が掲載されています。同じ話なのだから最終的な結果は同じなんだろうと思いますが、2巻でもまだ完結していません。3巻目に突入・・・・前田珠子さんは、未完のシリーズが多いので、本編の方がそうならないか心配です(笑)世界を創った7神は、天と地の間ー空を支える力と役目をもつ柱神を人間に与えた。創世のころは108人いたという柱神は、人間の欲が増大し神々への畏敬がうすれた暗黒時代に次々に命を落とし、現在は半数にみたない。自分たちの過ちに気が付いた人々は、柱神を畏敬し、自分たちの土地に柱神を招請するようになった。柱神が住まう土地が人間が暮らしやすい土地だった。そして、自分たちの土地に住んでくれた神の眷属がその地を離れることがないように、柱神になったものの近い血族を国主にいだくようになった。それがいつのころか、柱神の代替わりの際に各国の王朝交代劇が起こるようになった。つまり新しい柱神の親族が前王朝を皆殺しにして新しい王朝を築く・・・・この古戀唄は、昔語りとして始まった。次代の柱神を選ぶ定めをもった少女(本編の主人公)に、ある柱神の恋歌として。主人公のガシェスは大貴族であるファランスース侯爵家の変わり者の3男坊。貴族はほとんど行かないという王立学院に身分を隠して通っている。ひょんなことから変わり者の王女クランの話相手として王宮に通うことになった・・・。クランの出生の秘密、やはりです。【本日の言葉】p166たまにあることだとは知っていた。いかに天から才を与えられようと、周囲が望むようにそれを用い、扱おうとしない者がいることなど。