テーマ:お勧めの本(7402)
カテゴリ:十二国記
天命により慶の国、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父王の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討を誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える。
人は強くあらねばならない。それは地位や権力での強さではなく、己を持つ事の強さ。 この本の中で、私の胸を射たのは、 「自分がいちばん可哀想だって思うのは、自分がいちばん幸せだって思うことと同じくらい気持ちのいいことなのかもしれない」というところ。 いろんな人がいて、いろんな人生があって、どんなに素晴らしい人生を歩んでいる人だってその人にしか分からない苦しみを抱えているのかもしれないのに、そんな人の上辺の幸せを妬んでしまう。 そういうのは、どんな人にも一度は経験があるんじゃないかなって思う。 「生きるっていうのは、嬉しい事半分、辛い事半分」っていう子供の台詞にも胸をうたれた。 以下ネタバレ注意 陽子が一人で探りをいれている所が好き。「あの人はただ者じゃない」って言わせるあたりがカッコいい。陽子は、人からみた描写がものすごくカッコいい人だと思う。蘭玉と桂桂を助けるところとか、男の人に間違えられてるし。 最後のほうの乱のところでも、どこか無防備な陽子の姿、その後の無害。いぃなぁ~。 何といっても、ラスト麒麟に騎乗して迅雷に喝をいれてくるところがムッチャかっこいい。「小娘だと思っていた。先王と同様の凡庸な王だと。だが、迅雷を萎縮させるほどの覇気はどうしたことか」のくだりが好き。 そして、官服を着た陽子が初勅を言うところ。 「人は誰の奴隷でもない。そんなことのために生まれるのじゃない。他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば正すことを恐れず、豺虎に媚びず、ーわたしは慶の民にそんな不霸の民になって欲しい。己という領土を治める唯一無二の君主に」って!!カッコいい~。やっぱ、陽子は蓬來で成績よかったんだよ。 十二国記の中で一番この話が好きだぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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