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2010.03.16
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  『夕暮まで』吉行淳之介(新潮文庫)

 うーん、困ったものですなー。
 何が困ったと言って、「性」の話しです。
 別にかまととぶっているわけではありませんが、性の小説は、やはり苦手だとしか言いようがないですねー。

 もっともー、性の小説の得意な者が、本ブログの様に、明治・大正の小説なんか読んでいるわけもありませんしねー。

 以前同作家の『砂の上の植物群』の読書報告を致しましたが、その時、この小説は、青春小説である、ビルドゥングス・ロマンであると、まー、考えれば、かなり偏ったわがまま勝手な解釈を致しました。

 そのことの客観的な評価はともかく、私としましては、今でもそのように思っていますが、さて、今回の『夕暮まで』です。
 えー、素朴な読後感を一言で言っていいですかねー。
 本当にいいですか? ……じゃ。

  「いい気なもんだ。」

 しばし。しばしお待ちあれ。
 私は別に、筆者・吉行淳之介氏に対して、小説家ゆう商売はおなごしにもててよろしおますなー特にお宅みたいにええ男でその上性がテーマの小説を書くやなんてお方にはなるほどおなごしが群れんなって寄ってきはるちゅうわけですなーほんまあやかりたい蚊帳吊りたい、なんて事が言いたいわけでは、これっぽっちもありません。
 はい。神に誓って。

 では何に対して「いい気なものだ」と言っているかと申しますと、主人公の男性に対してですね。
 詳しくは書いていませんが、どうも文筆を主とする職業の、どうでしょう、四十代後半あたりの男性ですかね、そんな設定です。

 この男性が、二十二歳の女性と肉体関係になるという話なんですね。
 ただ、ちょっと眼目があるとすれば、その女性は、とても肉体的処女性を大切に考える娘さんで、性器的結合だけは頑として拒む、しかしそれ以外は何でもオーケーよという、まーなんというか、はっきり言うとちょっと「アホらしい」設定です。

 えーっと、ここまでの私の書きぶりで気がついた方もいらっしゃると思いますが、私はこの小説に対して、ほとんど理解ができていないんですね。

 例えば、上記にわざと滑稽に書いた女性の設定ですが、こんな女性に、リアリティって、本当にあるんでしょうか。
 主人公の男(佐々)についてもそうです。この男は結婚して、娘もいるんですよ。
 こんな表現があります。

 身仕度をしていると、部屋に入ってきた妻が、
「お出かけなの、イヴぐらい、直子につき合ってやったら」
「直子は、中学二年だったか、三年だったか」
「薄情ね、二年生ですよ、自分の娘なのに。でも、なぜ出かけるの」
「なぜ」
 鸚鵡がえしに言って、佐々は考えた。なぜ、だろう。


 えー、この男はアホですか。それともアホの振りをしているんですか。
 さらに言いますと、(まさかそこまでそんな、とは思いますが)筆者は、この男をアホと分かっていて書いているんでしょうか。
 そして、こんな男に、本当にリアリティはあるのでしょうか。

 どうも、この辺が分からないんですね。
 こんな設定に、ある世代の人たちは、またはある社会的階級の人たちは、リアリティをお感じになるんでしょうか。

 という風に考えていくと、もちろん別の考え方も、当然生まれてきますね。
 いわく、この小説は、リアリティなど必要としない方法で、男と女の関係の深部・暗部を追求したものである、と。

 でもねー、なんかそんなのって、集団催眠か何かに懸っているのと同じじゃありませんかぁ?
 確かに、この筆者はデビュー当時から男女間の肉体と心理の有り様を、性を中心に深く追求なさってきた方ではありましょうが、……え? 何ですって? この作品は、野間文芸賞受賞ですって? ……何か、みんな、どっか、おかしいんとちゃうやろか。……やっぱり集団催眠かなんかじゃないでしょうかねぇ。

 やはり、「性の小説」は、苦手であります。


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Last updated  2010.03.16 07:49:11
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