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カテゴリ:BOOK
久しぶりに、読み終わるのが惜しい本に出会った。
『グラスホッパー』伊坂幸太郎 内容を簡単に紹介 「復讐を横取りされた。嘘?」 元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。 どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。 鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。 一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。 それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき物語は唸りをあげて動き出す。 疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。 グラスホッパーとは、英語でバッタのことらしい。 トノサマバッタは密集したところにいると、緑から黒色になり、餌の確保のため、より遠くまで飛べるように羽も長くなる、と本書に書かれていた。 人間も同じ。 『どんな動物でも密集して暮らしていけば、種類が変わっていく。黒くなり、慌しくなり、凶暴になる。』 『群集相は大移動をして、あちこちのものを食い散らかす。仲間の死骸だって食う。』 『どんなに緑色のバッタも黒くなる。バッタは翅が伸びて、遠くへ逃げられるが、人間はできない。ただ、凶暴になるだけだ』 物語自体は、いろんな殺し屋がでてきて、それらすべてがとても魅力的で、でも悲しくて…。 それぞれの殺し屋達の物語が、最後に向けて徐々にリンクしてきて、読み終わったとたん、もう一度読みたい、と思わせる本だった。 久々の100点本。 で、中でも一番心に残った件が上記の内容。 『人間は哺乳類より虫に近い』 妙に納得。 人は虫なんだ…。 背筋がゾクッとした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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