田舎のハルモニ
主人の祖母は、ずっとド田舎暮らし。山に囲まれた、田んぼだらけの集落にある。ドアに鍵はなく、台所は土間で、トイレは離れの汲み取り、お風呂はない。もう10年以上一人暮らしをしているが、1ヶ月ほど前に息子(義父)が田舎に戻り一緒に住むことになった。法事も、うちから田舎ですることになった(…何故今までうちでやっていたのか…?)。旧暦のお盆のとき、ハルモ二と電話をした。私はハルモ二が嫌いではないが、歯が抜けて発音がはっきりしない上に訛りがきついので、誰か横にいてくれないと話にならない。それが申し訳なくて、恥ずかしながら未だに自分から電話を掛けることができない。そのとき、出産おめでとう、というような言葉を聞いた。ちなみにこれは、柔らかく日本語に訳した場合。直訳すれば「よくやった、でかした!」くらいかな。男の子が家系を引き継ぐ国なので、義父・主人が長男であるせいか、言葉では言われずとも男の子が生まれるのを望んでいたよう。義母からは言葉でちゃんと催促されていたが。そのハルモニが、今朝亡くなったとのこと。今年の夏は、妊娠中だからと会いに行かなかったのが悔やまれる。それから、こっこも見せたかった。もう90を越えているから老衰だろうと思う。一人暮らしのままでなく息子が看取ったこと、待望の男の曾孫が生まれたニュースを聞けて、ちょっとは安心できただろうか。韓国のお通夜は3日間。田舎のハルモ二の家でする。私はこっこが小さいので家で留守番だけど、たいていの親戚は少なくとも1日は行く。義父母や主人は3日間、(あまり)食べれず寝れずに忙しく過ごすらしい。そうして明後日の昼、先祖たちが眠る山に土葬するのに立ち会う。ここで暮らして6年半になるが、私はまだお葬式に参列したことがない。いいことなのかな。