うどん屋のもたらす経済効果を考える
私の地元、香川県は、言わずと知れたうどんの名産地。最近は、1,000円高速の恩恵が大きくて、他府県からドライブがてらうどんを食べに来る方が多いらしい。畑や田んぼ、山の中にあるようなところでも行列ができていたり、駐車場に入りきらずに付近に渋滞を引き起こすこともしばしば。でも、残念ながらこれが香川県や高松に経済効果をもたらしているかというと、そうでもない。なぜなら、うどんは香川県民にとっては日常中の日常食。いわばコンビニおにぎりのような存在であるため、500円玉でお釣りがくるプライシングでないと許されない。したがって、たとえゴボウ天やちくわ揚げをトッピングしてくれても、客単価は一人当たり500円いくかいかないか。ほとんどお金は落ちないのである。「うどん」が美味いということは、裏返すと小麦粉でできた「粉もの」以外には大して美味いものがないということ。海産物など単価が高くて儲けの大きいものに見るべきものがないのである。そばが美味いところと同じですね。有名な温泉地もないので、泊まってももらえない。その一方で、行列になると常連客の満足度は落ちるし、ピーク時対応のために駐車場の整備も必要。近所から苦情もくる。これだけピーク時に行列になるというのは、そもそも日常食としての低廉な価格と、観光ピーク時需要とのバランスが悪いということ。全メニューで300円くらい値上げしたらどうなんだろうか。日常利用の地元の人向けには回数券を発行して、それまでの価格を維持して提供すればよい。みんなでそろって値上げするとなると、いろいろ課題・チャレンジも多そうですけどねー。まあ、畑の真ん中にあるような店に限って味は絶品だったりする。ではまた。