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2010年12月06日
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カテゴリ:父の様子


父の嚥下障害は、
おそらく25年ほど前に受けた喉頭ガン手術の後遺症とのこと。

4月の胃ガンによる胃全摘出手術で体力が低下していたため、
6月に誤嚥がもとで重篤な肺炎を起こした。

12月、肺はまだボロボロながらも、自発呼吸できるまでに回復した。
危篤状態が長く続いたために衰えた筋力もだいぶ戻り歩けるようになった。

だが、嚥下障害はさらにひどくなった。

それでも、気管切開部につけたカニューレという器具で風船状のフタをして、
唾液や痰が気管に入る危険を減らし、
少しづつ口から物を食べられるような訓練をはじめている。



病院が老人の社交場と揶揄されたように、
寿命がのびた老人によって医療保険制度は立ち行かなくなった・・・
などの理由で、医療制度はさまざまに「改正」され続けている。


その「改正」のひとつに2006年「回復期リハビリ期間の上限の設定」がある。

脳梗塞などは期間が最も長く180日。
父のような寝たきりで筋力、骨、内臓などが衰えた廃用症候群は90日。

それを過ぎたら保険適用の回復リハは受けられない。
あとは「維持期」とされ、
週に2回程度、維持すら確保できないほどのリハしか受けられない。
あるいは高い費用を負担して保険外で受けるしかないが、
それとて、数が少なく、そうそう見つけられない。


本人に治りたい気力があろうと、
まだまだ回復の可能性があろうと、
期限が来たらたいていはオシマイ。

これは、老人に限らず、
若い人や子供の疾患・事故でも、先天性の病気でも同じ。


そして、可能性を求め、リハビリを続けたいと願う人は、
回復のチャンスと同時に、希望も失っていく。


私の周りでも、
78歳の我が父も母も…
リハビリ病棟で出会った27歳の女性も…
高校入学を目前に脳梗塞で倒れた16歳の少女も…

みんな期限が来たら行くところを失った。


生きることに希望を持てなくさせる政策って
なに?

国民が命を喜べない国って
なに?








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最終更新日  2010年12月10日 10時13分20秒
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