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2011年02月13日
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カテゴリ:父の様子

父が退院した。6月に肺炎で入院してから、ちょうど8ケ月ぶりのご帰還。
正直、生きて帰れるとは思わなかった・・・。


退院手続きは、会計だけでなく、
ナースやリハ担当者からの諸注意からはじまり、皆様への挨拶や荷造り。
そして、薬剤師からの山のような薬の説明。
加えて今更ながらに、転院前の病院から出された薬まで山盛り渡される。
頭には説明内容など何も残らず、手には山のような薬の山だけが残る。

繁華街のクロネコ宅急便のように台車に荷物を載せて車に積み込み、
車椅子の爺さんを積み込み、やっとこ玄関にたどり着き、
また台車と車椅子で部屋まで。


ホッとしながらも、山のような薬と、長い入院生活のうちにたまりこんだ荷物の整理。


パジャマに着替えるまもなく、明日からの介護の為に、介護関連業者が次々に訪れ、
わ~っと説明をして、「説明を確かに聞きました」っていうサインと捺印。
それがたくさん続く。

静かで時がゆっくり流れる病院生活に馴染んだ老人には、
まるで渋谷ハチ公前のスクランブル交差点のような喧騒に違いない。


業者ひとりひとりが無神経なわけじゃなく、みんなやさしい人なんだと思う。

でも、彼らは彼らの会社からマニュアルにそって確認事項をこなし、
証拠の印鑑を持ち帰る任務がある。
その善意の確認作業が延々続くわけで、
受ける側は、仕舞には内容など理解できないままに署名捺印をする。
これが退院手続きでよれよれの老人の帰還後第一番の試練になるのである。

家族も退院の喜びなど噛み締めるまもなく、
出入りの人々に振り回され、くたびれ果ててしまう。

明日からお世話になる業者の名刺やプリントだけが手元に残るが、
顔や名前は覚えきれない。

そして、後ろ髪をひかれながらも家族は我が子の待つ住まいに帰らなくてはならない。
その慌ただしさ、不安。



これが独居老人在宅介護第一日目の実態です。

おそらく、老々介護の場合も同様でしょう。

一人で過ごす夜。父はどんな夢を見てるかな?
明日からひとりで楽しく生きていけるといいけどな。








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最終更新日  2011年02月13日 08時55分43秒
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