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カテゴリ:本・作家
ハードカバーではなく、新書という珍しい新刊本。
天童氏の著作を何冊か読んでもやはり「永遠の仔」のインパクトが強いけれど、 この作品は、ターゲットや表現する舞台が明らかに違い、作るコンセプトが根本的に異なるんだろうと思う。 主役は高校生。 怪我をして血が出て痛いなら包帯を巻いて治療すればいい。 それならば、心に傷の手当てに傷の場所にいって包帯を巻けばいい、それが包帯クラブ。 例えば、このベンチで辛いことがあったのなら、ベンチに包帯を巻く、といったよくよく考えるとへんてこりんな設定だけれど、 そこで確かに傷があったっていう証ができて、その手当てをしたんだ、と思えてで少しほっとするという。 文中では、包帯にまかれた状態をみて少し落ち着く、、といった表現だけれど、つまりは、自分で解決できずにかかえている痛みを人に伝える、自分でもそれをしっかり把握することで区切りがつく、、ということって大切なんだよってことを書いているのだと思う。 それをマキロンでシュッとか、絆創膏ぺたっ、じゃなくて包帯で丁寧に手当てして、皆にここが傷だったんですってみせる。 確かに、指に絆創膏はっているより、包帯まいているほうが“どうしたの?”っていわれる確率高い、確かに。 今迄の作品のような重さとか暗さはなくて、軽さと繊細さのイメージが強い。 国際支援に行くクラブ員もいるからその人達へのメッセージもあるのかもしれない。 短いから、さら~っと一気によめるけれど、 ターゲットは、あまり広くないような気がする。 そうそう、前半にあった「ブランコ君」の話はすごく印象に残る。 (↑すごくわかりやすい戦争についての話) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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