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2006.02.19
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カテゴリ:本・作家
ハードカバーではなく、新書という珍しい新刊本。
天童氏の著作を何冊か読んでもやはり「永遠の仔」のインパクトが強いけれど、
この作品は、ターゲットや表現する舞台が明らかに違い、作るコンセプトが根本的に異なるんだろうと思う。

主役は高校生。
怪我をして血が出て痛いなら包帯を巻いて治療すればいい。
それならば、心に傷の手当てに傷の場所にいって包帯を巻けばいい、それが包帯クラブ。
例えば、このベンチで辛いことがあったのなら、ベンチに包帯を巻く、といったよくよく考えるとへんてこりんな設定だけれど、
そこで確かに傷があったっていう証ができて、その手当てをしたんだ、と思えてで少しほっとするという。

文中では、包帯にまかれた状態をみて少し落ち着く、、といった表現だけれど、つまりは、自分で解決できずにかかえている痛みを人に伝える、自分でもそれをしっかり把握することで区切りがつく、、ということって大切なんだよってことを書いているのだと思う。
それをマキロンでシュッとか、絆創膏ぺたっ、じゃなくて包帯で丁寧に手当てして、皆にここが傷だったんですってみせる。

確かに、指に絆創膏はっているより、包帯まいているほうが“どうしたの?”っていわれる確率高い、確かに。

今迄の作品のような重さとか暗さはなくて、軽さと繊細さのイメージが強い。
国際支援に行くクラブ員もいるからその人達へのメッセージもあるのかもしれない。

短いから、さら~っと一気によめるけれど、
ターゲットは、あまり広くないような気がする。

そうそう、前半にあった「ブランコ君」の話はすごく印象に残る。
(↑すごくわかりやすい戦争についての話)





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最終更新日  2006.02.19 18:59:11
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