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カテゴリ:本・作家
「廃用身」「破裂」に続く3作目。
医者ならではの視点とグロさとこんな考え方があるのかという観点の面白さで新作がでるとついつい買ってしまう作家。 各作品のぎりぎりの倫理観に映像化するのは微妙だよな~と感じたりするのだけれど、今回の作品は、きちんと?!“ミステリー作品”で、これはもしかしたら映像化はできるのかも、、なんて思ったりする。(かなり微妙で繊細な内容だけど) 痛みがわからない、、ぶつかっても痛くない、怪我して血がでても怖くない。自分自身が痛くないから他人がどうして怖がったり痛がったりするのか、それはどういう感覚なのかわからない男。 (これは自分が辛い目にあわないと人の痛みなんてわからない、、にどこか似てるかもしれないなんて思う。) 刑法39条では、心の病気がある場合無罪または微罪にするという、 正常なのに犯罪を犯すためにわざと事前に病院に行って、心の病気を偽ろうとする人間を許せない刑事。 確かに許せない。実際ごまかされてしまう場合もある。 逆に、もはやこんな準備している時点で正常な人間じゃあないのかもしれないと思うと、その線引きはすごく難しい。 ある医者は多くの経験から奇跡的な目をもっていた。黙視するだけでその人の身体の症状がわかる。治る病気か治らない病気かも。 あわせて刑務所の医者をやっていた経験からも、凶悪犯罪をできる人、できない人なども区別できるという。つまり一定の共通点をみつけられるという。 この他様々な人物が登場し、それぞれが後半どんどんつながっていく。 本当に最後の1行まで目が離せない作品で、長篇なのに後半一気読みしてしまいました。 グロさは、桐野夏生「OUT」より上。お医者様の表現はすごい。ある意味怖い。 でも毎作品思うのは、いつも生死にかかわっているお医者さんは、いろんな意味で客観的、そして常に倫理観を問われるんだろうなあと。 何故かやめられない久坂部ワールド。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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