本『あるキング』伊坂幸太郎氏著
徳間書店刊。内容 弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。すべては「王」になるために――。人気作家の新たなるファンタジーワールド。伊坂氏によると『誰も読んだことのない伝記を書いた』らしい。本文中にはシェイクスピアの引用が多用されています。王が王たる悲劇を書きたかったのでしょう。しかし、微妙。なぜなら、読後の感動はあまりありませんでした。ワタシはきっと、伊坂氏に、これは求めてないのですね。主人公の王求の両親の異常さだけが印象に残りました。三人の謎の女や、変な獣が、処々に登場するのは戯曲の狂言回し的な存在なのでしょうか?正直、ワタシ的にはこの本はあまりお勧めではありません。伊坂氏にはもっと面白い本が沢山あります。